Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その179

2010年04月16日 | 制作裏話


PART.2 テーマのヒントときっかけ



■当時こんなソフビゴジラがあったら……
「ノスタルジック」をテーマにした「大戦争ゴジラ ブルーバージョン」。
 実はこのテーマでのカラーリングのゴジラをいつか作ってみたいと思ったのは、約2年前になります。

 たまたま訪れた某博物館で、昭和30年代後半から40年代前半を意識した当時の日本の家庭の様子を再現した展示がありました。白黒テレビがあり(ちゃんと当時の番組が流れています)、ちゃぶ台と言える小さな円卓があり、タンスや食器に至るまで当時の物で再現していました。庭の横には三輪のミゼットがあります。子供のおもちゃはメンコやビー玉、ベーゴマ等……。展示と言っても実際のその再現した部屋に入って飾られているものに触れる事ができます。
 私ぐらいの年齢の物にとっては「あー昔こんなんだったなー」ばかりです。
 しみじみしている時にふと「ここにゴジラソフビがあるともっと嬉しいのに……」と。そして「この雰囲気にあうような色のゴジラソフビを作るとしたら……」「こういう家の中に飾っても違和感のない色のゴジラソフビの色は……」と考えたのです。それが「ノスタルジック」のヒントになっていたのです。
 そこから当時小学生だった子供の頃の自分を思い出して、「当時、駄菓子屋さんや玩具屋さんに、こういうのがあればよかったのになぁ」となり、「大戦争ゴジラ」で実現しようと企画したわけです。

 前に「こだわり」でも書きましたが、昭和40年代当時の怪獣ソフビと言えばマルサンブルマアクタイプばかり。造形も色も子供向けですから、小学校高学年になってくると物足りなさを感じてきます。もう少し実物に近い造形や色のソフビがあればいいのにと思い始めます。
 今でも多くありますが、近年のソフビメーカーさん達の多くは、マルブルタイプをベースとしたディフォルメ、いわゆるレトロタイプとして怪獣ソフビを発売しています。良くできた商品は昔の雰囲気で懐かしさを感じさせますし、その怪獣にマッチした配色の物は純粋に手に取って嬉しくなります。私も好きでゴジラを中心に集めていますが、あまりにも多くの種類があり、時には違うテイストの物が欲しくなります。小学校高学年の頃に思ったあの時の気持ちに近いものがあるのです。「好きなのはわかるけど、どうして皆さん右習えのようにマルブルタイプの造形や配色ばかりにするんだろう……」と。
 レトロなイメージのソフビゴジラは、何もマルブルタイプにしなくとも可能ではないかとも思うわけです。形でも色でもです。
 配色、塗装の仕方でGメモリーズセレクションのゴジラでもできるはず……。そういう意図もこの「ブルーバージョン」にはあるのです。