PART3.配色のこだわり
■彩色のこだわった所
クリア成型でもなく、青系の色にせずとも「氷」「雪」「寒い地域」をイメージさせるカラーとして選んだのがパープルです。
劇中のシーンでもあるように、対旧轟天号戦の時は吹雪の中の戦いや氷山の崩落のシーンでした。そしてガイガン戦ではバトルの中で氷や雪の塊らしきものが飛び散るシーンが見られます。南極らしさの表現がされているだけではなく、決して明るいシーンではないものの、ゴジラそのものも背景や演出効果の影響もあって、映像としてかなり渋い色合いで表現されている事がわかります。
塗装に使用したパープルは、どちらかというと明るめ、藤色に近い紫です。濃いめの紫ですと、リアルすぎて「カッコかわいく」から離れ気味になるためです。それでも明るすぎてもモチーフとなったシーンの雰囲気は出ませんので、成型色とのパランスで調整する事にしました。
そこで選んだのは成型色はやや濃いめのグレー。これまで「大戦争ゴジラ」「モスゴジ」「決戦ゴジラ」の各「スタンダードカラー」に使用した色とほぼ同じです。この上に全体的にパープルを塗装スプレーしました。陰影をぼんやりと見せたいため、部分的には残していますが、スプレーしているパープルそのものも強弱をつけて、身体に合わせて濃くスプレーしている部分と薄くスプレーしてる部分をつけています。成型色のグレーとのパランスで、明るい色でありながらもかなり渋さは表現できていると思います。
さらに部分的に雪や凍った箇所をイメージすべく、部分的にツヤ消しのホワイトをフラットにスプレーしています。雪や凍った部分の表現としてです。それに合わせるようにあえて同じ色、ツメ、キバ、背びれはシンプルにツヤ消しホワイトで塗装しています。これでかなり寒さの中のゴジラである事がわかっていただけると思います。
モチーフとなった劇中シーンでは明るい雰囲気の風景ではありませんが、ゴジラそのものは雪の中での戦いという事で、冷たい感じの表現ながら渋さの中にも明るい仕上ガリとなっていると思います。ぜひ実物で塗装のこだわりをご覧いただいてほしいと思います。
※「また明日」と言いつつ1日開けてしまいました。ごめんなさい。