Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その215

2010年12月15日 | 制作裏話

Part.2 緑のゴジラ



■当時の紙媒体のゴジラの緑を調べてみると……
 詳しく「こだわり」でも書きましたが、多くの方が「緑色のゴジラ」をイメージされているという事は、映画公開時、もしくはチャンピオンまつり全盛の頃によく見られたポスターやブロマイド、紙もの媒体で見られた印刷物で緑に人工着色されたゴジラの影響が一番多いと思われます。
 この「レトログリーン」はそれらの色を表現しようと言うコンセプトです。
 幸いにも弊社はグラフィックデザイン業務も平行して行っております。ですからこれらの印刷物がどのようにして色を付けられているかはすぐにわかりますし、色の配合を調べる事も難しくはありません。
 ただ残念なのは、当時のこれらの紙媒体の実物を資料として持っているものが少ないのです。
 近年多くのムック本等で昔のポスターやブロマイド等の資料を紹介しているものが発売されてきましたし、弊社としてもできる限りそういった資料本は収集しております。これらを見れば良いじゃないかと思われる方もいらっしゃると思いますが、近年のムック本等で紹介されているものは100%当時のものと同じ色ではないのです。
 おそらくはある程度時間が経過して微妙に変色してしまっているそれらの資料を、ムック本制作時に新たにデジタルスキャンして、画像として取り込んで印刷されているものが多くあるからです。さらにやや古めのムック本等では流用使用されているネガやポジからのダイレクトの印刷。当然ネガやポジも時間の経過で変色はありますから、完全ではありません。
 さらに突き詰めていくと、当時の人工着色された緑そのものも、元々はモノクロ写真の上に色を乗せる形で使用されているものが多く、元となっているモノクロ写真そのものも劣化があっただろうものに着色されている場合も見受けられます。
 専門的な話になってしまいますが、同じくCMYKで言う所のシアン100%+イエロー100%で作られた緑であっても仕上がりは全く違うものになっているという事で、統一の色というのは存在しないのです。ましてや現状、時間の経過による変色、本等で紹介されているのはデジタルに再加工されたものという事で、当時の緑そのものはやはり当時でなければ完全にはわからないという事になります。

 しかし、それでは話になりません。
 と言う事で目先を少し変えて色を考える事にしたのです。