Part.3 グリーンで表現するコンセプト
■ダイレクトな色の再現ではなくイメージさせる色に
かつての印刷物で見られたベタなグリーンをソフビで再現する。
しかしそれは容易な事ではありません。2次元で表現された色を3次元で表現するというのも理由の一つですが、統一したグリーンではないのです。そして長年イメージされている多くのファンの皆さんの思い浮かべるグリーンもまた人それぞれのはずです。
そこで色そのものをダイレクトに再現するのてはなく、当時の懐かしさだったり、古さだったりを印象づける色にする事で見る人それぞれが当時をイメージしやすいものにした方が良いと判断しました。
塗装済み完成品のソフビですから、基本的には成型色とそれに塗り重ねる色の配色、そしてツヤの具合を加味して決まるものです。
何度か塗料の調合を繰り返したり、試し塗りをしてみたり、幾度となく検討し、最終的に決まったのが商品の色です。
詳しくは以前「こだわり」に書きましたので割愛しますが、手前味噌ではありますが、スプレーした複数のモスグリーン、そしてツヤの消し具合も「カッコかわいく」の中でテーマに沿うべく表現できたと思っております。
単純にベタなグリーンという事では、むしろ現在発売中の「大戦争ゴジラ グリーンバージョン」の方が近いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。が、印刷物での印象や懐かしさの部分ではこの「レトログリーン」の方がイメージしやすいとも思っております。
グリーンのソフビゴジラはこれまでにもいくつか作ってきましたが、ひと味違う色になったと思いますし、「決戦ゴジラ」以外でも昭和初期から中期のゴジラでは近いコンセプトでの表現が可能になるだろうという事を感じました。
もちろん全く同じグリーンにはしませんが、それぞれのゴジラで当時の媒体で見られたグリーンを思い出させる挑戦をしてみたいと思わせてくれたのもこの「レトログリーン」でした。