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有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その150

2009年10月17日 | 制作裏話
制作裏話
「キングギドラ シャイニングゴールド」編
PART.4



■各パーツごとの収縮率

 クリア成型のソフビでの弱点は、昨日までお伝えしてきたように表面に気泡が見えやすい事もありますが、通常の原料に比べて柔らかい事もありパーツの接合部分(かん着と言います)が緩くなりがちになってしまう事です。
 ソフビはワックス原型から金型を制作し、そのできた金型にソフビの原料を流し込んでパーツを成型します。成型されて金型から抜かれた直後のパーツはかなり高温の状態で、ふにゃふにゃです。それが冷えて固まるのですが、その際に微妙に収縮するのだそうです。収縮率と言うのはパーツの形状や大きさによって左右され、金型で同じサイズに作られているはずのかん着部分でも、パーツの小さい方はより小さくなりやすいのです。
 私もソフビを作るようになって教えていただき初めて知り、実際に自社製品を見て「なるほど!」と思いました。こういう事は実際に自分で作って体験しないとわからない事です。
 ゴジラ等の怪獣ソフビ等はリアルだろうがレトロだろうが、だいたいは大きなボディパーツに手や足、尻尾等のパーツが付けられているケースが多く見られます。そのため手や足の可動部分はたまに初めから緩くなっている商品があります。おそらくそれはこう言ったパーツの収縮率の違いによる事が一番多い原因であると考えられるのです。事情をよく知らない方は金型屋さんや成型屋さんのせいにされるかもしれませんが、緩くなってしまう一番の原因はパーツの大きさや形状の違いによる収縮率の差ではないでしょうか。
 そこでクリア成型品ですが、素材が柔らかいと言う事もあって、さらにそう言った事がより顕著になってしまうのだと思われます。

 弊社の「キングギドラ」ではそれも強く感じました。
 各バージョンの弊社の「キングギドラ」ソフビをお求めいただいた方は、比較されて「シャイニングゴールドの方は(かん着)が緩いなぁ」と思われた方もいらっしゃったと思います。それはこう言った理由ですのでご理解いただきたいと思います。
 この「シャイニングゴールド」では、特に翼のパーツのかん着部分が少々緩めになってしまっています。面積がそれなりにあるのに薄いが為に通常より収縮率が高かったのだと思われます。改めて見直してみると他社さんのいろいろなギドラソフビも翼の状態が同じような結果になっています。理由はやはり同じなのでしょう。
 今後はもっとそう言った事も意識して作らなければならないと言う事も勉強にもなりました。

 ゴジラに比べれば、各パーツの大きさや形状の差は特に大きいのが「キングギドラ」です。
 ですから、そう言った事も含めて「キングギドラ」のような形状の怪獣ソフビを作る事の難しさをまた改めて実感しております。

 あー……やっぱり困ったちゃんな怪獣だ(笑)。

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