こころラボ

楽しく幸せなこころを育てる実験

通訳の仕事

2016-05-11 17:33:22 | 日記
人と話すのが苦手なくせに、なぜ通訳してるんだろう?

子供の頃、2番目に憧れた仕事です。

まあ自分の意見を言うわけではないし、仕事中は真剣に聞いて頭フル回転なので
人にどう思われるかなんて気にしてる暇はないです。

なじみのない分野だと事前の下調べに時間もかかるし
現場では聞き取れなかったらどうしようかと緊張もするけど
伝わって「わかりやすかった」と言われるとうれしい。

でも、それだけではないかも。

以前、カエルの研究者の方の通訳をしたことがあります。
世界的に活躍している方だったんですが、話をしていて本当にカエルが好きなんだな~と感じました。
小さいころカエル好きだった少年がそのまま大人になった、みたいな。

講演する日の朝、できたスライドを見せながら説明してもらい
いざ通訳。

その日はどういうわけか、カエルはこんなに面白い生き物なんだよという
話し手の熱い気持ちが伝わってきて
わたしもその情熱が乗り移ったみたいになって
びっくりするくらい通訳の出来がよかったんです。
いつもなにかしら「あそこはああ訳せばよかった」という反省点が出てくるんですが
この時だけは自分でも「100点!いや120点!!」って思いました。
わたし自身もものすごく楽しかった。
これまでいろいろと通訳してますが、こんな風に感じられたのはこの時だけです。

研究者の情熱が乗り移ったせいかカエルにはまって
3年間くらい毎年カエルのカレンダーを買ってました。
今もカエルはわりと好きです(でも柔らかい両生類より硬い爬虫類が好き)。

あ、話がそれちゃった。

おそらく他人の情熱を感じ取れるところも
通訳の仕事をしていて好きなところかもしれません。

感覚的には
話し手の言うことを聞いて
自分の頭の中でイメージを作り
感情を追体験して(ここまでできないこともあるけど)
それを表すのにいちばんふさわしい言葉を探す
という感じです。

翻訳でも基本は同じことをしているけど
書いた本人に会うわけではないので
通訳の方がより熱を感じるといえるかも。

話し手の情熱を、その人らしく聞き手に伝えることができたら最高です。

それがたくさんできるように精進したい。

書きながら「通訳っていい仕事だな」と再確認しました。
コメント
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