11🌟反省は後でするもの🌟
ミスをした後にミスを重ねてしまうもう一つの要因は、、、
ミスをする前よりもずっと、状況が複雑になっていることがあると思う。
ミスをする前というのは、どういう方針でやってきたのか、いまどういう選択肢があって、
これから先どういう方針で臨んでいくのかが非常に明瞭で、選択肢も分かりやすい状態になっていると思う。
そこで正しい選択をしながら、その状況が継続していくことになる。
ところがある時点でミスをしてしまうと、
それまで築いてきた作戦や構想、方針といったものがすべて崩れてしまい、
もう一度最初からやり直さなくてはいけない。
そこへ至った道筋が全部崩れてしまうのだから、
気持ちとしても動揺するのは当たり前。
さらに、ただでさえ情報が溢れ、複雑で混沌とした状況の中、
過去へ遡って一から何をすればいいのか、
どういう方針で臨めばいいのかは、にわかには見極められない。
そういう状況であるから、いったん綻びが生じると、そこからミスを重ねてしまうのも必然ではないかと思えてくる。
さてそこで、そのミスを重ねないためにどうするかということだが、
まずは、ともかくも一呼吸おく、一休みすることが1番だと思う。
たとえば5分だけお茶を飲んで休憩するのでもいいし、
外の景色をぼんやり眺めるのでもいい。
本当に短い時間でも、ちょっと一休みしさえすれば、ずいぶんと冷静になり、
客観性が取り戻せるのではないだろうか。
そして、ミスの後の行動を、まったく新しいものとして捉える努力をすることだ。
これからのことを考えるとき、人はどうしても、それまでやってきたものの連続として考えてしまいがちだ。
しかし、ミスをした後、これから始めるべき行動についても、
「もし仮にこれを初めて見たら、自分はどう判断するだろう」
とか
「どういう選択をするのだろう」
というようなことを想像してみたらどうだろう。
「初めて見たら」と想像することと、
過去からの連続で考えて判断することとは、大きく違う。
そのとき思いきって自分の位置を切り替えて、
「初めてこの場面を見たら…」
といった視点をもつようにするといい。
さらにもうひとつ。
反省をしないことだ。
反省は、基本的にはしなければいけない。
反省だとか検証は、もちろんしなければいけないものではあるが、
それは、後ですればいいことだ。
将棋であれば、対局が終わった後の感想戦。
そこですればいいと考えている。
実戦の最中であれば、その場で反省をしているよりも、
ミスをしてしまったその局面をいま、なんとかしなくてはいけない。
なんとか打開して状況を好転させなければならない。
したがって、反省や次につなげるための検証はとりあえず後回しにして、
いまその瞬間に集中することが大事になってくるのだ。
なお、ミスは失敗を犯したときの結果については必要以上にこだわることはないと考えている。
誰でもミスや失敗をする、適度にミスをするほうが健全であると思っている。
さまざまなシステムや仕組みをつくるときにおいても、
ミスがあることを前提とした柔軟性のあるもののほうが、
現実的に使いやすいのではないかと思えてならない。
(「直感力」羽生善治さんより)
ミスをした後にミスを重ねてしまうもう一つの要因は、、、
ミスをする前よりもずっと、状況が複雑になっていることがあると思う。
ミスをする前というのは、どういう方針でやってきたのか、いまどういう選択肢があって、
これから先どういう方針で臨んでいくのかが非常に明瞭で、選択肢も分かりやすい状態になっていると思う。
そこで正しい選択をしながら、その状況が継続していくことになる。
ところがある時点でミスをしてしまうと、
それまで築いてきた作戦や構想、方針といったものがすべて崩れてしまい、
もう一度最初からやり直さなくてはいけない。
そこへ至った道筋が全部崩れてしまうのだから、
気持ちとしても動揺するのは当たり前。
さらに、ただでさえ情報が溢れ、複雑で混沌とした状況の中、
過去へ遡って一から何をすればいいのか、
どういう方針で臨めばいいのかは、にわかには見極められない。
そういう状況であるから、いったん綻びが生じると、そこからミスを重ねてしまうのも必然ではないかと思えてくる。
さてそこで、そのミスを重ねないためにどうするかということだが、
まずは、ともかくも一呼吸おく、一休みすることが1番だと思う。
たとえば5分だけお茶を飲んで休憩するのでもいいし、
外の景色をぼんやり眺めるのでもいい。
本当に短い時間でも、ちょっと一休みしさえすれば、ずいぶんと冷静になり、
客観性が取り戻せるのではないだろうか。
そして、ミスの後の行動を、まったく新しいものとして捉える努力をすることだ。
これからのことを考えるとき、人はどうしても、それまでやってきたものの連続として考えてしまいがちだ。
しかし、ミスをした後、これから始めるべき行動についても、
「もし仮にこれを初めて見たら、自分はどう判断するだろう」
とか
「どういう選択をするのだろう」
というようなことを想像してみたらどうだろう。
「初めて見たら」と想像することと、
過去からの連続で考えて判断することとは、大きく違う。
そのとき思いきって自分の位置を切り替えて、
「初めてこの場面を見たら…」
といった視点をもつようにするといい。
さらにもうひとつ。
反省をしないことだ。
反省は、基本的にはしなければいけない。
反省だとか検証は、もちろんしなければいけないものではあるが、
それは、後ですればいいことだ。
将棋であれば、対局が終わった後の感想戦。
そこですればいいと考えている。
実戦の最中であれば、その場で反省をしているよりも、
ミスをしてしまったその局面をいま、なんとかしなくてはいけない。
なんとか打開して状況を好転させなければならない。
したがって、反省や次につなげるための検証はとりあえず後回しにして、
いまその瞬間に集中することが大事になってくるのだ。
なお、ミスは失敗を犯したときの結果については必要以上にこだわることはないと考えている。
誰でもミスや失敗をする、適度にミスをするほうが健全であると思っている。
さまざまなシステムや仕組みをつくるときにおいても、
ミスがあることを前提とした柔軟性のあるもののほうが、
現実的に使いやすいのではないかと思えてならない。
(「直感力」羽生善治さんより)