花水木の独り言

庭の大きなハナミズキの、白い蝶のような花びらや、真紅の葉に気持ちを託して・・徒然なるままにキーを打ちました。

大磯高麗山の自然林

2006-06-18 | 里山 森林行
今月の里山行きは、私の中では時期尚早の「樹木」をメインの自然観察でした。

東海道線を平塚から大磯に向う時、右手に緩やかに起伏する山が暫く続きますが「大磯高麗山(コマヤマ)」と言う常緑広葉樹林の、今では中々目にすることが出来なくなった標高165mの山での貴重な体験をする事が出来ました。

常緑広葉樹とは照葉樹とも言いますが、主としてブナ科・クスノキ科の樹木が優占する森で人間の影響を受けやすく、今では自然の森は殆ど見ることが出来なくなりましたが、社寺の境内や自然公園 古い民家の屋敷林などにその面影が僅かに残るくらいです。

高麗山ではタブノキ(クスノキ科)とスダジイ(ブナ科)が主体になってニシキギ科・ツバキ科・ミズキ科・ヤブコウジ科・アカネ科・ヤマモモ科と大木が繁り、神奈川県指定の天然記念物として保護されています。

【タブノキ】


【スダジイ】


大磯町には、高麗人にゆかりの深い名称が多く、此処で言う高麗は高句麗のことです。
唐・新羅の軍に敗れた高句麗王族の若光とその一族は大磯の浜に上陸。高麗山の麓に住み、大磯や平塚の原野を開拓しました。
700年代の頃、高麗人は武蔵国に集められ高麗郡が設置され、若光はその郡令に任じられました。
高麗神社(現 高来神社)はその時から。

 
講師は内野郁夫氏 全国森林インストラクター。
秋の南大菩薩、雪の丹沢ブナ林を歩いたのがきっかけで森林に興味を持つようになり、森林探訪、自然観察会を実施しネイチャークラフト教室の講師。神奈川県植物誌調査会会員。早稲田大学本庄高等学院非常勤講師。

内野インストラクターは、蟲にも深い愛着を示されますし、5mmにも満たない蟲を目ざとく見つけて解説される様子や、何を質問しても先ず完璧かな~と舌を巻いてしまいます。もし解らない時には次の時までに調べて来ますと誠実です。

その蟲を2点。(カメムシが一番のお気に入りとは・・私は目にするだに怖かったのですがレンズで狙えるまでになりました)
【ヨコズナサシガメ:生物の体液を吸う1cmくらいの蟲】
       

【アカスジキンカメムシ:植物を食す1cmくらいの蟲】
       

次に印象深い樹を数点。
【ムクノキ:若木 根が女性的】
       

【ムクノキ:老木 若木との違いは目に沁みます】
       

【キブシ:花は簪のように揺れますがシッカリした実になっています】
       

【エノキ:規則正しい模様】
       

【カゴノ木:鹿の子まだらに見えるところから命名】