花水木の独り言

庭の大きなハナミズキの、白い蝶のような花びらや、真紅の葉に気持ちを託して・・徒然なるままにキーを打ちました。

鎌倉史跡めぐり 『梅の香に誘われて』

2008-03-05 | 鎌倉の四季
                           【宝戒寺 紅白梅】

梅は古代中国より渡来し、万葉時代の貴族たちの風雅の心を培いました。
天平二年(730)正月十三日 大宰府帥大伴旅人宅にて梅見の宴が催されたといわれています。
平安時代になると、人々は色よりも香りに心を込めるようになりました。
鎌倉幕府三代将軍源実朝は、梅をこよなく愛し京都天満宮から香りの良い梅を取り寄せたとあります。
早春の陽光の中を 清楚で気高い梅の香を訪ねて鎌倉散策をいたしました。

【宝戒寺 北条の紋所:ミツウロコ】
若宮大路を東方に行く場合、このお寺には先ず立ち寄ってからが常道になっているようです。四季の花が何かしら咲いているのです。
参道の大きな八角形の敷石を10mくらい歩いてミツウロコのある門扉を入ると、こんなにも梅があったの! と言うくらい沢山の梅に出会います。
本堂に上がって仏像に手を合わせてから、右奥の太子堂や歓喜堂の周りにも梅・梅が・・見出しの紅白梅が一番目を惹きました。他には「思いのまま」と言う一本に紅白の花が咲いているものも見事でした。


【荏柄天神社】
大宰府・北野天満宮と共に日本三大天神の一つです。祭神は菅原道真。創建は1104年です。
源頼朝が幕府創設に際し鬼門鎮護として崇敬しました。
門から向かって正殿 奥に本殿があります。



境内には鎌倉に暮らした漫画家 清水崑が愛用した絵筆を納めるために建設した石碑「カッパ筆塚」があります。
又門柱の傍らでは絵筆を振るっている沢山の方達をお見受けしました。

【瑞泉寺】


ここも「花の寺」として著名です。
早春の梅に始まり、しだれ桜 芙蓉 桔梗 紅葉 水仙と。
         
          【紅梅】と【万作】
          
               

【浄妙寺】
鎌倉五山の第五位に列します。四位までは西方にあり北条の系列に入りますが、東方のこの寺は開基が足利義兼。中興の開基は足利貞氏(法名:浄妙院殿 尊氏の父)。
北条と足利は長らく姻戚関係にあった事が関係しているのか・・解説者の弁。
足利家の菩提寺であり、貞氏の墓と伝えられている宝篋印塔があります。
この辺り一帯の地名は浄明寺(寺に敬意を表して妙を明としている)と言い、室町時代初期までは七堂伽藍と二十三の塔頭を持つ大寺院でしたが消失してしまいました。


境内には枯山水の茶室「喜泉庵」があり、裏手には墓地が広がり、坂を登ると石釜でのパンの製造や洋風建築のレストランもあって、しかし起伏を利用して隔絶されていて違和感も無くなかなかの寺院経営だとお見受けしました。

          【梅一輪】
          

【鎌足稲荷神社】
浄妙寺山門東奥に「鎌倉」の地名の由来の一つになっている場所がありました。
『由緒』
大職冠藤原鎌足公は乳児の時、稲荷大神さまから鎌を授けられ 以来お守りとして身に付け大神さまのご加護を得られました。
大化元年(645)中大兄皇子らと協力 蘇我入鹿を討って大願を成就されました。
翌大化2年東国に向かわれ、相模国由井の里に宿泊されました。
その夜 「あなたに鎌を授けて守護してきたが、今や入鹿討伐という宿願を成し遂げたから、授けた鎌を我地に奉納しなさい」 との神告があり、お告げのままに鎌を埋納し祠を営んでお祀りしたのが当神社の始まりです。