花水木の独り言

庭の大きなハナミズキの、白い蝶のような花びらや、真紅の葉に気持ちを託して・・徒然なるままにキーを打ちました。

名刹建長寺の三門楼上拝観  座禅体験 

2008-08-15 | 鎌倉の四季
                          【蓮華 方丈前庭に咲く】

建長寺は 鎌倉五山の第一位、臨済宗建長寺派の大本山です。建長五年(1253)に
鎌倉幕府五代執権北条時頼が建立した 我が国最初の禅寺です。

【総門】
巨福門ともいい、京都の槃舟三昧院より昭和15年に移築されました。額の字『コフクサン』は建長寺第十代住職によるもので、巨の字に筆勢による一点を加えて、百貫の価をそなえたものと言い、世に百貫点と言われています。

     

【三門】
三解脱門の略で、『空・無想・無作』を表しこの三門を潜る事によって、あらゆる執着から解き放たれることを意味しています。それが禅宗の『悟り』の入り口でありましょう。
屋根は唐破風造りで、楼上は今回特別に私たちに開放していただいたものでした。
銅製の五百羅漢(以前はいつも開放されていたため300羅漢に減ってしまいました)と木製多色の美しい十六羅漢が安置されていて、特別の語り部に解説していただきました。


【方丈】
伽藍配置は、総門・三門・仏殿・法堂・方丈と主要な建物が直線に並んでいます。
最奥の庭園の手前に方丈があり、ここで座禅体験を致しました。
本来の座布団の倍以上の大きさを半折にして膝を床に着くくらいに浅く胡坐をかきます(結跏趺座・・ケッカフザ)。呼吸は自然に。住職のお話を聞きながら形が自然に出来上がってゆきます。まず全員で「般若心経」を唱えます。

そして手を合わせて拝礼をしますと『警策』にて、左右の肩を打っていただきます。ピシリと堪えます。淀んでいた血がほどよく廻り清々しい気持ちになります。
もう一度両手を合わせて礼拝をして終結します。

方丈には多分100名以上は居たかと思いますが、6列くらいに並んで警策を持った
方も5~6人はおられました。
初めてでしたので良い体験でした。機会が有れば何時か又と思っています。

【方丈北側の庭園】


【禅寺から現代に通じる文化の発信】
鎌倉時代の武家は禅宗に大きな影響を受けて武家文化を形成しましたが、それが今に引き継がれています。例えば・・・

★建長汁(けんちんじる): 野菜を油でいためて、豆腐を入れた汁。

★精進料理 :精進と護戒が結びついたもの。酒や葷(くん・・匂いの強い野 
 菜)が僧に禁止されたため、これを除いたものが工夫されました。          

★玄関 : 禅寺で「悟り」の道に入る関門を言う。

★脚立 : 椅子の前において足を乗せる台。

★普請 : 労働を言う言葉で全員が一緒に行う事。

★打ち合わせ : 開山の命日の8月23日には国宝の梵鐘、西来庵の鐘、仏殿脇の
 鐘を順次打ち続け、全山の僧を集め、開山忌を始める。         
 それを打ち合わせと言い、今日 会議の前に打ち合わせるという語源になった。          
    
   その他 人事、会釈、など多数あります。