鮮魚系ラーメンの人気店「麺屋海神」
JR新宿駅の東南口を出てすぐ。新宿武蔵野通りにある雑居ビルの2階で営業する行列店「麺屋海神」へ。元々は池袋で経営難に陥ったラーメン店「どう楽」を、ラーメン評論家・石神秀幸氏がプロデュース。『鮮魚系』を前面に押して屋号を「麺屋海神」と改め、2004年9月にリニューアルオープンさせたのが発端である。
その後、池袋の店は2006年に閉店。石神氏の手を離れ、2007年10月に新宿に移転し再スタートを切った。現在は新宿本店のほか、吉祥寺駅前にも支店を展開している。コチラの名物は季節折々の旬な魚のアラを炊いて出汁をとったラーメンだ。そのため仕入れる魚は毎日異なっていて、店内の壁に書初めのように貼りだしてある。
この日は真鯛、穴子、平政、鰤。いずれも冬に脂が乗る魚だ。こりゃ楽しみ。麺メニューは「あら炊き塩らぁめん」と「あら炊き辛塩らぁめん」の2種で、プラス165円で「へしこ焼きおにぎり」が付いてくる。「辛塩」は辛さを3段階から調節可能。ほか味玉、三陸わかめ、白髪ネギ、パクチー、水菜などを追加可能で、全部乗せは660円也。
ちょっと手が出ないので、今回は「あら炊き塩らぁめん」と「へしこ焼きおにぎり」のセット(1045円)をオーダーした。店内はカウンター6席とテーブル3卓の計16席。ひっきりなしに客が来る。待つこと6分で着丼。透き通ったスープは、アラを丁寧に下処理し炙ってから炊いていて、魚の旨味はしっかり。でも嫌な臭みは皆無で絶品。
合わせる麺は豊華食品製の柔らかな細麺だ。2種類の小麦粉をブレンドし、炭で浄化した水で練り上げ低温で熟成。小麦の香りが立ち、繊細なスープとの相性も抜群である。トッピングには鱈のすり身に海老を練りこんだ甘味あるツミレと、細かく砕いた軟骨とネギを散りばめた鶏つくねの2種。どちらも良い味だ。
ほか白髪ネギ、茗荷、針生姜、大葉、糸唐辛子と5種の薬味が乗る。シンプルな構成だが、スープの味を最大限に活かす構成だ。そして残ったスープに「へしこ」の焼きおにぎりと粉山椒を投入。へしこは鯖などの青魚を塩漬けにした後、糠漬けにした若狭の郷土料理だ。コクが加わり旨味倍増。今度は季節を変えてまた来よう。
<店舗データ>
【店名】 麺屋海神 新宿店
【住所】 東京都新宿区新宿3-35-7
【最寄】 JR中央本線「新宿駅」東南口徒歩1分