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肥宝館 -貧すれば丼する-

【和歌山】 まるやま 小松原本店「中華そば(650円)+早寿司(100円)」

1960年創業の車庫前系の王道店

ラーメンファンの間で『和歌山ラーメン』というと、「車庫前系」と「井出系」の2系統に分類するのが一般的だ。前者は、かつて和歌山市内を走っていた路面電車の車庫の前で屋台として営業していた「丸宮」(1949年創業)を祖とする一杯で、豚骨醤油のスッキリとしたスープが地元で広く親しまれているラーメンである。

そして後者は、新横浜ラーメン博物館に出店し全国に名を轟かせた「井出商店」の臭ウマ濃厚豚骨醤油の中華そばを指している。とはいえ、これは後付けのカテゴリーで、地元ではあまり使わない表現とも聞く。まあ、ご当地麺にはありがちな話である。そして今回訪れた「まるやま 小松原本店」はいわゆる車庫前系の老舗だ。創業は1960年。

現在はここ小松原の本店のほか、県道13号=和歌山橋本線沿いに「塩屋店」を展開している。メニューは中華そばのほか、おでん、ギョーザ、卵かけごはんなどを揃えている。また、和歌山ラーメンのお供としておなじみ、酢締めしたサバを使った「早寿司」や、巻き寿司も提供。今回は「中華そば(650円)」と「早寿司(100円)」を注文した。

スープは少しトロミのある豚骨白湯に醤油のカエシを重ねているが、スッキリした味わいに仕上がっている。豚骨のコク、カエシの香りが相まって旨いスープだ。合わせる麺は柔らかめの中細ストレート。トッピングにはチャーシュー、メンマ、かまぼこ、ネギが乗る。いわゆる「昔ながら」の一杯なのだろうが、古臭さを感じさせない。

そして「早寿司」は、一口サイズの酢飯にシメ鯖とガリを乗せて押したもの。豚骨醤油スープの中華そばと相性が良いのが不思議だ。いずれも、あっという間に完食してしまった。今回はフェリーへの乗り継ぎの合間の訪問で、時間がないのが残念だ。和歌山ラーメン、いつか本格的に名店を回ってみたい。

<店舗データ>

【店名】 まるやま中華そば 小松原本店
【住所】 和歌山県和歌山市小松原6-1-14
【最寄】 JR紀勢本線「宮前駅」徒歩30分

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