復興に向け産学連携。石巻の「サバだしラーメン」
2011年3月11日に起きた東日本大震災から、まもなく8年。久々に三陸へと旅に出た。宿泊の拠点にした石巻には、朝ラーの「伊藤商店」や、地域で根強い人気の「大王」、カレーラーメンが人気の「石巻牧場ラーメン」など幾つも名店がある。しかし、今回は趣向を変え、道の駅にある人気ラーメンを啜ることに。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/4e/573efb608505a8773ee00651a14bd726.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/39/14a740f75228375c78cd0c367e608ece.jpg)
訪れたのは三陸自動車道・河北インター近くにある「道の駅 上品の郷(じょうぼんのさと)」。地元農産物の直売場や土産店に加え、日帰り温泉、地元食材を使ったバイキングなども備える人気スポットだ。ここの軽食コーナーに、石巻のご当地麺とも言われる「サバ出汁」を使ったラーメンを提供する店がある。
それが「お食事処こばやし」だ。以前は、すぐ近くの飯野川町に本店があったが、今は「上品の郷」のみでの営業だそうだ。飯野川町には元々「サバ出汁」を料理に使う文化があり、これに着目した石巻専修大学の石原ゼミが「サバだしラーメン」を地元企業と共同開発。複数の飲食店で提供するようになったのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/a9/428d124d775aac077ab02e6a64388d24.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/a6/90c87c8f37f197be97d3b26090b9a5c0.jpg)
この「サバだしラーメン」は、石巻の産業復興のために開発されたため、地域の食材にこだわっている。出汁は被災した水産加工業者が、麺は地元産の強力粉「ゆきちから」を、地元企業が製麺している。そして、塩ベースのスープで提供する店が多い中、今回訪れた「こばやし」では、珍しく醤油ベースの一杯を啜ることが出来るという。
スープはサバの中骨から抽出。生臭さは無くサバの風味・旨味が前面に出ている。合わせるのは小麦の風味が良い細縮れ麺。そしてトッピングの「サバのさつま揚げ」は、塩や醤油が控え目でサバの旨味が直に伝わってくるのが良い。思った以上の完成度で驚いた。産業復興に向け、ラーメンで産学連携。面白い取り組みである。
<店舗データ>
【店名】 お食事処こばやし 上品の郷店
【住所】 宮城県石巻市小舟越二子北下1-1
【最寄】 三陸自動車道「河北I.C.」より3分