刺身もユッケもラーメンも!会津の馬づくし
JR只見線・七日町駅から東に歩いて3分ほど。会津若松駅からも1キロと徒歩圏内。七日町通り沿いで2011年8月から営業する「馬力本願」へ。コチラでは、珍しい馬骨スープと馬肉チャーシューのラーメンを啜る事が出来るのだ。戊辰戦争の頃から馬肉食の文化が根付いている会津ならではの一杯、これは非常に興味深い。
ご主人の加藤淳志氏は会津のご出身。東京で和食に携わったのち、地元に活気を取り戻したいと、馬を使ったラーメンを考案したのだそうだ。落ち着いた雰囲気の店内はカウンタ8席と4人がけテーブル1卓。ラーメンだけでなく馬=さくらの刺身やユッケ、地酒なども提供しているので、まずは刺身(1人前550円)で日本酒を飲ることに。
メニューには花泉、辰泉、国権、天明と会津の銘柄が並ぶが、ここは店のすぐそばにある鶴乃江酒造の「会津中将」無濾過初絞りをグラスで1合(700円)貰うことに。香り爽やか、甘味と苦味が混在し旨い酒だ。そして待望の馬刺しはネットリと絡みつく赤身で、鉄臭さや嫌な臭みは皆無。辛子味噌で頂くのが会津スタイルだ。うむ、絶品。
そして麺メニューだが「馬味噌ラーメン」と「馬醤油ラーメン」の2種を提供するほか、馬を使っていないラーメンも醤油・味噌を揃えている。今回は人気No.1という「会津 馬味噌 馬力ラーメン(880円)」をオーダーした。スープは会津で育った馬の骨をベースにとった出汁に会津味噌を重ねており、ほのかに甘く優しい味わいだ。
嫌なクセは皆無で、旨味もしっかり引き出しており、ご主人の苦労が伺える仕上がりだ。そこに合わせる麺は喜多方直送、みちのく産の小麦粉「ゆきちから」を使用した平打ちの中細縮れ麺。ツルっとした麺肌でコシがあり旨い。そしてチャーシューは馬のバラ肉。噛みごたえがある赤身と、しっかり旨味が味わえる脂身が良いバランスだ。
ほか、黄身ホックリの味玉が半玉、青ネギ、玉ネギ、モヤシがトッピングされる。途中で丼淵の辛子味噌をスープに溶きながら完食。馬肉に多く含まれるペプチドの効果か、気づけば汗だくに。まさに馬力の出る一杯、会津に行かれたらぜひ試してみてほしい。なお、駐車スペースは3台分あり、道路挟んで向かい側なので間違えぬように。
<店舗データ>
【店名】 馬力本願
【住所】 福島県会津若松市七日町7-3
【最寄】 JR只見線「七日町駅」徒歩3分