伝説の「金太郎」を支えた守谷氏の豚骨
1990年代、足立区の環七沿いに「金太郎」という店があった。当時はまだ珍しかった博多長浜ラーメン、それも咽返る様な豚骨臭を放つ一杯が熱狂的なファンを産み、2004年の閉店後も東京豚骨のパイオニアとして伝説的に語られている存在だ。その「金太郎」を支えた田中剛氏が独立創業したのが都内屈指の人気店「田中商店」だ。
そして田中氏と共に金太郎の厨房に立っていた守谷武氏が創業したのが、今回訪れた「博多長浜ラーメン もりや」である。2007年頃に足立区鹿浜で創業したが、2009年に八柱駅そばに移転。だが入居するビルの取り壊しにより、元山駅から西に1キロほどのバス通り沿いに移転した。2019年1月9日からこの地で営業している。
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店舗の50メートル北に駐車場があるので車での訪問も可能だ。店内はカウンター6席に加え4人がけテーブルが3卓あるのでグループ客でも安心。混雑時は軒先に並んで待つことになる。券売機はなく口頭注文の後会計。麺メニューは豚骨白湯の「らーめん」一択で、麺の硬さを粉落としからヤワヤワまで7段階から選ぶことが出来る。
またチャーシュー、味玉、ねぎ、キクラゲ、海苔といった王道トッピングに加え、トマトと挽肉を合わせた「豚トマト」も用意している。もちろん替玉もある。ほか、明太子、ねぎチャーシューといったツマミ類や、ごはん、明太子ごはんといった飯モノも。今回は「らーめん(750円)」に味付けたまご(100円)を追加し注文した。
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さすが博多長浜豚骨だ。あっという間に着丼した。スープは豚のゲンコツをはじめ様々な骨を粉になるまで高温で炊いた白湯。ご主人の狙い通り、濃すぎず油も強過ぎず、嫌な獣臭もかなり抑えられている。サラリとした飲み口、それでいて旨味十分。そこに博多・トリオ製麺の細ストレート麺が泳ぐ。歯触り良く旨い麺だ。
チャーシューは柔らかな豚肩ロース肉で肉の旨味たっぷり。味玉は黄身ネットリ。ほか歯応えあるキクラゲ、海苔、ネギが乗る。そしてもちろん「替玉(100円)」を。一杯目はスープの味をそのままに、二杯目は卓上の辛子高菜、紅生姜、摺り胡麻、ニンニクを加えて楽しんだ。「金太郎」と違い老若男女楽しめる一杯。また啜りに来よう。
<店舗データ>
【店名】 博多長浜らーめん もりや
【住所】 千葉県松戸市松飛台112-26
【最寄】 新京成線「元山駅」徒歩10分