喜多方ラーメン御三家の一角「醤油のまこと」
蔵とラーメンの町、福島県喜多方市へ。豚骨清湯に多加水麺を合わせた喜多方ラーメンは、札幌、博多と並び、日本三大ラーメンのひとつに数えられている。歴史は古く、大正末期に「源来軒」創業者の潘欽星氏が支那そば屋台を引いたのが原点という。やがて、その味が市民に浸透し、中華そばを提供する食堂も増えていった。
昭和50年代になると、写真展やテレビ番組をきっかけに「蔵の町・喜多方」が全国に浸透し、観光客が増加。喜多方ラーメンも知られるようになっていった。そして御三家の一角「坂内食堂」の協力のもと「喜多方ラーメンばんない」「小法師」が全国チェーン展開を始めた事で、ますます喜多方ラーメンの認知度は上がっていった。
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今回は『塩の坂内、醤油のまこと』と言われ、坂内食堂と人気を二分する「まこと食堂」へ。昭和22年、下宿屋を営んでいた佐藤ウメさんが創業。現在は4代目のリカさんが、3代目で父の一彌さんと切り盛りする。屋号はウメさんのご主人の名前「満古登」から来ており、大和仮名で染め抜かれた紺の暖簾が印象的だ。
なお、喜多方は朝ラー文化も有名で、朝7時台にオープンし午後3時には閉店、夜営業は無しという店もザラにある。まこと食堂も朝ラーの人気店で夜営業は無し。朝7時半の開店前に行列が出来るそうだ。今回は朝と昼のピークの境目、11時頃の訪問。10人程度の行列だったので、10分も待たずに着席することが出来た。
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メニューは醤油清湯の「中華そば」一本勝負で、大盛り、チャーシューメンも提供。ほか、会津名物の「ソースカツ丼」や、それを玉子でとじた「煮込みカツ丼」、玉子丼、カツライス、カツ皿なども用意されている。今回は連食したいので「中華そば(700円)」に、ソースカツ丼のライス無しにあたる「皿盛(750円)」を追加しオーダー。
スープは豚骨をベースに煮干し出汁も加えたダブルスープのアッサリ清湯。「醤油のまこと」とは言うが、スープの色が濃いわりにカエシはの塩味は強すぎず、円みのある優しい飲み口に仕上がっている。地元出身者の話では、日毎に味にブレがあるそうだが、このスープなら朝から啜りたくなるのもわかる。
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麺は地元・曽我製麺の多加水中太麺。喜多方ラーメンの麺は幅の平均が4ミリ程度と聞くので、「まこと食堂」のモノは細い方に入るだろうか。シコシコとした食感は流石で、スープとの相性の良さも言わずもがな。トッピングのチャーシューは薄切りで、豚のモモやバラ肉など違った部位を使用。醤油で味付けがされていて旨い。
そして、遅れてやってきたのは会津名物のソースカツ。筋切りをされた柔らかなロース肉に、若干酸味の立ったソースが絡み絶品。スープとカツの往復が止まらない。なお、お持ち帰り用のお土産中華そば(2食入り500円~)も販売しているが、ラーメン丼に「あたり」の文字があったらプレゼントでもらえるそう。スープまで飲み干さねば。
<店舗データ>
【店名】 まこと食堂(満古登食堂)
【住所】 福島県喜多方市字小田付道下7116
【最寄】 JR磐越西線「喜多方駅」徒歩15分