利根水郷、農地のビニールハウスでラーメンを
千葉県香取郡東庄町にビニールハウスで営業する変わったラーメン店があると聞き、訪ねてみることに。場所は利根川の南岸を走るJR成田線の「下総橘駅」から国道356号線=利根水郷ラインを銚子方面に歩いて15分ほど。JR東日本の橘変電所そば、赤い提灯と「営業中」の幟を目印に、河川敷方面に曲がってすぐである。
この辺りは水田とイチゴのビニールハウスが並ぶ農地で、店も景観に完全に溶け込んでしまっている。客席はビニールハウスの中で、厨房が家屋の中に。その両者がくっ付いて建っている形だ。おそるおそるハウスの引き戸を開けると、店内は期待通り屋台のような雰囲気。4人がけのテーブルが5つあり、家族連れの姿も見られる。
店は家族経営のようで、初老のお母さんがホール係を務めている。麺メニューは醬油、塩、豚骨の3種のラーメン・つけ麺を提供していて角煮、チャーシュー、ネギ、ワカメ、ワンタンなどを追加トッピング可能だ。ほか、限定メニューでタンタン麺も用意されている。麺大盛りはプラス100円。このメニューの多さには驚く。
ほか、餃子や炒めモノ、タン塩、ガツネギポン酢、塩キャベツ、モツ煮などツマミメニューも充実。アルコール類もビール、サワーから日本酒まで。ラーメンを啜るだけではなく、居酒屋としても使えるようだ。今回は人気No.1という「とんこつ角煮ラーメン(1000円)」に「水ぎょうざ(350円)」を追加しオーダーすることに。
まず到着したのは「水ぎょうざ」だ。餡はニラが多めで皮はモッチリ。それをニンニクがガッツリ効いた辛味ダレにつけて頂く。辛さ一辺倒ではなく甘味もあり、病み付きになる味わいで旨い。手作りであろう餃子も良いが、これはタレの勝利。東総エリアは体を使う仕事の方が多いからか、ニンニクが容赦なくきいた店が多くて嬉しい。
そして、お待ち兼ねのラーメンが着丼。スープはサラサラで臭みのないクリーミーな豚骨白湯で、表面に胡麻油と白胡麻が浮かぶ。ひと口啜ると、この胡麻油の香ばしさが際立ち旨い。合わせるのは多加水の中細縮れ麺。そこにチャーシューの代わりに、ホロホロで箸で掴めぬ角煮が6枚乗る。醤油でしっかり味付けされていて旨い。
店先の幟にあるように地元・東庄町産の健康なSPF豚肉を使っているようだ。ほかトッピングは、ワカメ、メンマ、ナルト、海苔、紅生姜。博多豚骨とは全く違い、あえて言えば個性が無いが、老若男女に嫌われない仕上がりだ。なお、お店は午後5時半から深夜0時半までの夜営業のみで、スープがなくなり次第終了とのこと。ご注意を。
<店舗データ>
【店名】 ハウスラーメン たけ坊
【住所】 千葉県香取郡東庄町東今泉669
【最寄】 JR 成田線「下総橘駅」徒歩15分