歴史好き歯医者のひとり言~ 先日、BS-TBS で「カンタベリー大聖堂」を特集しておりました。 イギリス国教会の大本山です。 イギリス国教会とワンセットで語らなければならないのが、ヘンリー8世です。 ヘンリー8世、生涯に6度の結婚を繰り返し、別れたくなると色々な言いがかりをつけて、妻を処刑してしまいます。 最も有名な離婚事件、彼の代名詞といえる事件は、最初のお妃キャサリンとの件でしょう。キャサリンをローマ教皇にごり押してめとったにもかかわらず、アン・ブーリンという若い女官に恋をしてしまいます。 どうにかして、キャサリンと別れてアン・ブーリンと結婚したいヘンリー8世。 当時のイギリスはカトリックを国教としていまして、カトリックで離婚は禁止されており、ローマ教皇からの許しが下りません。そこで、彼はウルトラCをやってのけます。 カトリックから脱退し、「国王が政治と宗教の頂点に君臨する」とした、イギリス国教会をつくってしまうのです。その大本山が、「カンタベリー大聖堂」なのです。 以上の内容は、映画「わが命つきるとも」を観ると、よくわかりますよ。 ちなみに、立教大学は、イギリス国教会の流れをくんでおります。(カトリックは、上智大学、聖心女子大学など。 プロテスタントは、国際基督教大学、津田塾大学など。 どうでもよいですね~)そこまで苦労してアン・ブーリンと結婚したヘンリー8世ですが、結婚3年後に、彼女を姦通罪の濡れ衣を着せて、処刑してしまい、3番目の妻ジェーン・シモアに乗り換えるのです。ところで、かのエリザベス女王(1世)は、ヘンリー8世とアン・ブーリンとの間に生まれた女の子です。 めちゃくちゃなヘンリー8世ですが、頭脳明晰、特に文芸に秀でており、本家イギリスでは、類まれな政治手段により、現在の礎をつくった恩人と、評価は悪くないようです。何となく頭に来ますが、事実は事実ですので、仕方がありませんね。 面白いことに、ヘンリー8世と同時代に、日本では織田信長が中世のシンボルである比叡山を焼き討ちしております。 短気で粗暴、超現実主義者、当時の人々からすればとんでもない独裁者ですが、我々後世の人間からの人気は高い。お二人とも似ているような気がしませんか? 両者の時代から、日本もイギリスも中世が終わり、( 2人が、宗教に束縛される暗い中世を終わらせたと言っても過言ではありません)近世が始まるのですが、関連性のない地球の別の場所で同じようなことが起きる現象は、他にもあります。 先日このFBに書きましたが、日本の幕末・明治維新と、イタリアの独立運動という同じような歴史現象はほぼ同時期に行われております。 歴史の偶然性は必然に起こる、とは言い得て妙、非常に面白いところです。