食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

口腔ジスキネジアによる開放創

2018-10-09 07:10:49 | 日記

先週土曜日、診療終了直後に、「歯肉が痛くて食事ができない」という主訴で、86歳の女性が来院されました。 お隣の特別養護老人ホームに入所されている方で、車いす使用、ご子息様がお連れになりました。 口腔内を拝見すると、上下無歯顎、確かに、下顎前歯相当部の舌側顎堤から口腔底におよぶ、切り傷様の開放創を認めます。義歯が合わず、久しく入れていないとのこと。 つまり、長期にわたり上下無歯顎で食事をとられています。 そして、よく観察すると、常時お口をもぐもぐさせておられ、口腔ジスキネジアと診断して間違いないようです。 つまり、慢性的に、上顎前歯部顎堤が、下顎の前歯部相当部舌測面から口腔底にあたるため、上記した傷が生じたと思われます。 パーキンソン病は患われておらず、上下総義歯を装着していないために、口腔ジスキネジアを生じたのか、口腔ジスキネジアのため義歯がうまく装着できずにいるのかは不明ですが、いずれにせよ、旧義歯の修理、ないし新義歯の作成を強く提言いたしました。 その日は、ペングッドとボルタレン、プレドニゾロン軟膏を処方しお帰りいただきました。すみません。初めての症例でして、その対症療法でよいのかは自信がありません。(患者さん側(ご子息様)に時間がなく、その日、新義歯印象に進めませんでした) 貴重な症例と思い書き込みました。 ご意見、一家言あるかたはコメントいただけるとありがたいです。 口腔ジスキネジア全般についてのコメントも是非、よろしくお願いいたします。