昨晩、TBSの「世界ふしぎ発見!は、ポンペイでした。東南アジアに一時栄えた、パガン朝や、シンガサリ朝のような、マニアックな歴史を調べるよりも、ポンペイのようなベタ中のベタな歴史を掘り返す方がはるかに心浮き立ちます。結局は歴史好きというより、歴史ミーハーなのでしょう。 番組のトピック的扱いは、「ベスビオ火山の噴火が、従来、夏ということになっていたが、実は、その2か月後の秋であった」でした。従来、夏のバカンスにポンペイを訪れていた裕福層が、この火山爆発で、灰の下敷きになったことになっておりますが、秋ですと、彼らはすでにポンペイから去っております。この事実を番組で述べているのですが、考察・推察を聞けませんでした。 思うに、裕福層に対するひがみ、やっかみのような感情をもった、平民層・下層階級に、より多く浸透させるため、扇動するために、事実を曲げて、ポンペイの記録を(作者の名前は忘れました~💦)書き込んだのかもしれません。
話かわって、番組でも剣闘士についての内容がありました。アメリカ映画で特にみられる親指を下げるジェスチャーは「お前を抹殺するぞ」的な非常に、由々しき表現であることは周知の事柄です。ポンペイしかり、古代ローマ帝国において、民衆の娯楽のために真剣勝負の殺し合いをさせられる奴隷を、剣奴(グラディエーター)と呼んでおりました。彼らは、命がけとはいえ、試合では必ずどちらかが息絶えるまで戦うわけではなかったのです。一方が不意に剣を落とす、また続行不能な傷を負ったりした場合、とどめをさすかどうか、相方は主催者(皇帝や貴族)を見ます。それに呼応して、主催者は競技場を埋め尽くす観衆を見上げ、合図を待ちます。(アリーナ席は身分が高いものほど下、低くなるにつれて高い場所に位置しておりました)彼らが、親指を立てれば「殺す必要はない」という意味で、主催者も親指を立てて、とどめを刺せませんでした。一方、彼らが親指を下げたとき、主催者も親指を下げます。それが、「殺してしまえ」の合図だったのです。 ブーイングのルーツは、それだったのですね、いみじくも、剣奴の命は、脆弱な群集心理、それに帳面づらをあわせる権力者に委ねられていたのです。 番組では触れていませんでしたが、ポンペイの遺跡からは、「剣奴試合において、大体5組に1人の割合で死者がでた」というような落書きが発見されております。つまり、10人に1人の割合で殺されていたようです。 最後に、番組でもわずかに述べていましたが、当時、ポンペイを含め、ローマ帝国では、尿を歯に塗りだくり、歯の色を白くしておりました。 ホワイトニングの原型ですね。