食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

村田真一

2009-09-11 10:07:20 | 日記
 僕のように強靭な胃袋以外、別段、取り柄のない人間にとって、天賦の才に恵まれた人物の生き方や、エピソードを関知しても、いずれ人生の手本になることはない。



  ここに、村田 真一という男がいる。



 顔面神経麻痺の為、顔の左半分を自分の意思で動かすことが出来ない。


 99' 年、 横浜戦で斉藤隆にくらった死球の後、休養をとらず試合に敢行したことによる後遺症のためである。



 1981年、村田はドラフト5位で巨人軍に入団する。


 契約金、2000万円すべては借金苦に喘ぐ実家の肩代わりに消えた。


 積年の2軍生活を終え、90' 年、正捕手の座を得る。


 「チュウ」というあだ名は、ネズミのように泥まみれとなる彼の練習風景から付けられた呼称である。



  村田は、致命的なことに肩が弱かった。


 彼のフォームである 2塁へのワンバウンド投法は、少年野球のキャッチャーがする投げ方だ。


 結果こそが全てのプロの世界で、村田を最後まで起用し続けたのは長嶋監督である。


 人間心情の奥への透視ができるのも、長嶋が天才と云われる所以なのかもしれない。



 
  時折、テレビで引退後の村田を拝見することがある。



 苦労を微塵も感じさせない彼のあたたかな笑顔の横で、 交通事故で夭逝された愛娘の照れ笑い声が聞こえてくるような気がする。

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2 コメント

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Unknown (KING)
2009-09-11 18:34:02
いや~、知らなかったです。滝川高校出身。巨人では良い選手だったですよね~。まあ肩は…(笑)
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Unknown (ライター)
2009-09-11 21:50:43
 阿部などは、人間村田としての村田イズムの信者ですね。技術は~(笑)
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