Route 136

国道136号線―セラピストの日記

腰痛の考察(後編)

2013年05月15日 | 心・体
今回のお客様の腰痛の原因はねじれによる要素が強かったと思います。
ねじれをとるためには筋肉のひっぱりを解除してあげればいいので、硬いところを弛めてひっぱりがとれれば、痛みの原因の半分は?!取り除くことができます。
あとは職人技で調整

ここで大切なことは、「どことどこの部分が連携してねじれを作りあげているか」正確に捉えることです。
やみくもに硬いところをゆるめただけでは血行はよくなるかもしれませんが、ねじれの解消にはつながりません。

人の身体はスパイラル状にバランスをとる傾向にあるので、それを意識して身体の前後・左右(側面)の硬さをチェックしていただければ、連携がつかみやすいかと思います。
「スパイラル状にバランスをとる」ということは「スパイラル状に筋肉を使う」ということです。
図の赤い部分が傾向として凝る場所です。この部分をつなげるとスパイラル状になることが多いです。

      


これは自分の経験と書籍で調べて確証を得ました
わかりやすい図がつくれなくてすみません。

仕事時の姿勢やスポーツ、ケガの影響でこの図にあてはまらない方もいらっしゃいますが、スパイラル状にバランスをとる原則は一緒です。

シンプルに考えてねじれによる腰痛は ねじれをとればいいだけのことですが…
そうでない腰痛はそうはいかない~!ということになります

ではねじれが原因でない腰痛とは―      それは衝撃による腰痛です。
こちらの腰痛は痛みがとれるまでに時間がかかる可能性大です。

腰に衝撃がかかるということは衝撃から守るためにまず筋肉が硬くなり、時間とともに疲労が蓄積します。
蓄積がどこかで一掃されなければ筋肉は過労状態となり、筋肉そのものの損傷や神経の圧迫、ひどい場合にはレントゲンには写らない微細な疲労骨折を起こしてしまうことがあるからです。
それが痛みとして出るわけで、こうなった時にはケガをしているのと一緒の状態です。
ギックリ腰がその例です。

  
     「過労性構造体医学」笠原 巌著より

ですので、衝撃による腰痛は「時間経過(蓄積)による損傷(破壊)」=「過労学的損傷」なので、損傷部分が修復されるまでは痛みがとれません。

だから良くなるまでに時間がかかるのです。

修復を早めるためにはとにかく腰に衝撃を与えないこと、腰の筋肉を休ませてあげることです。

やはりコルセット等による固定や重力にさらす時間を減らすこと(寝転がる時間を多くつくる)が必要になります。

ではこの衝撃はどこからくるかというと「足」です。
足の形がくずれ、免震機能が落ちていると、衝撃はもろに身体に伝わります。

ですので足の形を整えることが根本的には必要になってくるわけですが、、、
足が整うまでには時間がかかりますので、まずはできるところから始めてみて下さい。

 お家で裸足時間を増やしたり(整体ソックスやサポーターを履くとなお◎ 履くだけで免震機能が高まります。スリッパは×)
 クッション性のある靴を履いてみたり(硬い靴やヒールの高い靴は強い衝撃のもと)
 足裏全体重心を意識してみたり(かかと重心は× 足の免震機能が働きません)等。


一番やっかいなのはこのミックスバージョン 「ねじれ+衝撃」×時間によって引き起こされる腰痛です。
ねじれたところに衝撃が与えられ続け、時間がたってしまったもの。

「×時間」が長ければ長いほど修復までに時間がかかります

ねじれが起きているところは負荷がかかり損傷が起きやすいので、ねじれはできるだけ早く取り除いていったほうがいいです。
そのねじれを取り除く方法におススメなのがストレッチです。

 ほんの一部ですがこちらをご参考に― カナロアストレッチ

身体がねじれているかどうかをチェックするには
全身写真(前後左右)を撮って肩や腰の高さをチェックみたり、靴下や靴、スカート、ズボン等の回転具合をチェックすることも一つの目安になります。
あと外反母趾や内反小趾、指上げ足の方は必ずねじれが発生します。

とくにねじれは左足から発生することが多いので、左足の変形具合をチェックしてみて下さい。
左右で足の形が違う方が多いと思います。
多分左足のほうが変形がひどいのでは?

この理由は近々説明しますね。


今回のお客様は「×時間」が短かったので痛みがとれるのも早かったのだと思います。
ですが、足をチェックすると足に改善の余地はかなりありました

やはり足と腰痛は多いに関係していますが、どの要素が強く出て痛みを引き起こしているかを見極め、何を優先して行わなければいけないか、施術者がしっかりと判断しなければいけないと思います。


今回のお客様は右背骨~肋骨の筋肉の硬直によるねじれが一番の原因でした。

ですが原因の見極めは難しい…経験が必要です。

試行錯誤して、改善例を作っていくしかありません。

ですので、良くなった、悪くなった、変わらない、は参考になりますので、遠慮なく、どうか私にストレートにお伝え下さい

お客様のご返答が私の勉強につながります。

どうぞよろしくお願いいたします



腰痛の考察(前編)

2013年05月11日 | 心・体
先日、腰痛の女性のお客様が見えました。
ネットからの新規のお客様です。
結婚式が2週間後なのでそれまでにどうにかしたいとのことでした。

玄関から階段を上がってこられた姿をチェックしていたのですが、、、階段はゆっくりですが上れました。
これも一つの目安になります。

お客様にお身体の状態を確認すると、前かがみにすると腰~尾骨にかけて痛みがでる、左右差はない、腿の外側がだるい、とのことでした。

ベッドに仰向けに寝ていただいて、お身体の状態をチェックしたのですが、骨盤~足にかけての関節の動きには強い制限はなく、際立って硬くなった筋肉もありませんでした。

ほとんどの腰痛の方は、

 足首が固まっている
 スネがやたら硬い
 ふくらはぎパンパン
 股関節の柔軟性がない
 骨盤の動きが硬い
 お腹の筋肉が硬い

といった下半身主体の症状がみられるのですが、このお客様はあえて言うと腿の外側がちょっと硬いくらいでしたので、原因の特定が少々難しいかな?と思いました。

が、

身体は全体で連動しているので、全身を施術(60分の整体)してみて原因がある程度特定できました。

今回の腰痛の原因は赤マルの部分です。
腰痛なので腰そのものを疑う方が多いと思いますが、身体はストレートにはいきません

灰色マルはお客様の主訴です。

   

一番の原因は肋骨~背骨沿い(脊柱起立筋T4~T12くらい)の硬直でした。
身体の側面(右肋骨)の筋肉が縮んで腰の筋肉が捻じられるようにひっぱられ、そこに痛みがでたのだと推測しております。

このお客様は保母さんなので、仕事中前かがみになり、右向きに身体を傾けることが多かったことも原因の一つですし、あと中学時代にテニスをされていたので、右側の背骨沿いの筋肉が発達したことでそれが身体の使い方の癖(筋肉は強いものを優先的に使う傾向がある)として残ってしまい、筋肉がアンバランスに使われていることも考えられます。

もう少し付け加えると…
左右ともに指上げ足で、重心が外側に傾いていたので腿の外側もはっていました。
腿(大腿四頭筋)は身体の中でも一番大きな筋肉なので、ここも縮むと全身にかなりの影響を及ぼします。あと指上げ足は足の免震機能を著しく低下させます。

これらの原因が複合的にからまって今回の腰痛がでたのだと思います。

もし私の推測が間違っていたら…次回みえた時に腰痛はとれていないはずです

とりあえず整った状態を継続させるためにテーピング(伸縮性のあるもの)もはり、以下の注意事項を守っていただきながら一週間後に再度来店していただきました。

 ◆免震性(クッション)のある靴をはく。
 ◆できるだけ温かいものを多くとり、内臓を冷やさないようにする。
 ◆テーピングはできれば2日間ぐらいつけていただき、テーピングをとった後はコルセットを着用(お客様がすでにお持ちもの)。
 ◆膝をまっすぐにする癖があるので、立っている時は膝をちょっと曲げるように。
 ◆寝る時は膝の下に枕等を敷き、少し膝を曲げた状態で寝る。横向きで寝る時は膝に枕等をサンドイッチして寝る。

そして一週間後…

腰痛とれていました。
推測どおりでした。
前回と比べ、右肋骨~背骨沿いのはりがかなりとれていました。
揉み返しもなかったとのことでした。

再び整体60分後、(状態はいいので)テーピングは貼らなくても大丈夫かな、と思ったのですが、万が一を考え、貼らせていただきました。

そして今日が式です。
お幸せに


花嫁さんの施術は緊張します
カナロアではブライダルエステ(場合によっては整体もやります)もやっておりますが、皮膚に症状が表れては大変なので、慎重を期して少なくとも2カ月前(リミット)のご来店をすすめております。

テーピングにしてももし背中のあく衣装でしたらテーピングでかぶれてしまっては大変!
アロマテラピーでお肌の手入れと美しいボディーラインをつくりあげるにしても精油でアレルギ
ーがでてしまっては大変!
保険にも入っておりますが、式間際はとにかく何かあるといけませんからね

式当日は緊張もありますが、衣装も重たいので、心身ともにかなり疲れます。
ですので花嫁さんが一日元気でいられるような施術を最終回にやらせていただいております。

やはり身体がベストな状態で式を迎えられる事が本当にベストです。

一生に一度の晴れ舞台
素敵な笑顔でのぞむことができますようお手伝いさせていただきます。

ということで次回は過労性構造体医学の理論(笠原先生の理論)を取り入れながら今回の腰痛をもう少し掘り下げていこうと思います。