細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

ヤングアダルトパパ   山本幸久

2010-06-20 23:29:12 | 読書メモ や・ら・わ行
《内容》
夏休みもあと数日。中学2年生の静男は、生後5ヶ月の赤ん坊を負ぶり保育所を探していた。10以上年の離れた花音と恋をして、優作が生まれた。しかし彼女は幼い父子を残し、消えてしまったのだ。もうすぐ二学期が始まる。急がなきゃ。しかし、中学生の保育所探しはどこからも相手にされない。途方に暮れながらそれでも、静男は優作を守ろうとするのだが…。14歳の父、5ヶ月の息子、幼い父子の、家族物語。
              (紹介文より)

☆☆☆★

ダウンタウン  小路幸也

2010-06-20 23:11:46 | 読書メモ さ行
《内容》
高校生の僕と年上の女性ばかりが集うこの場所で繰り広げられた、「未来」という言葉が素直に信じられたあの頃の物語。大人になるってことを、僕はこの喫茶店で学んだんだ。温かくて懐かしい「喫茶店×青春」小説。
               (紹介文より)

☆☆☆☆☆
―――悔しかった。
   何もできないのと、それから、何も知らないのと。

―――大人の男として、息子を持った父親への対応の仕方。たぶん人生を生きていく上で自然に身に付いていくそういうもの。

―――それまで会うこともなかったたくさんの人に会うようになって、その人たちの考え方や生き方を感じるようになって、だから、自分で考えるときにもいろんなことを思えるようになった。

  
  大人になるってことが、できているんだろうか。ただ歳を重ねているだけのような気がする。

小さいおうち  中島京子

2010-06-20 22:34:19 | 読書メモ な行
《内容》
昭和6年、若く美しい時子奥様との出会いが長年の奉公のなかでも特に忘れがたい日々の始まりだった。女中という職業に誇りをもち、思い出をノートに綴る老女、タキ。モダンな風物や戦争に向かう世相をよそに続く穏やかな家庭生活、そこに秘められた奥様の切ない恋。そして物語は意外な形で現代へと継がれ……。最終章で浮かび上がるタキの秘密の想いに胸を熱くせずにおれない上質の恋愛小説です。
          (紹介文より)

☆☆☆☆★
―――十二や、十三の娘に、覚悟なんてものがあったためしはない。それはどんなに時代が変わったって、そう変わるもんでもないだろう


―――秘密はときによると、人のつながりを強めるけれども、場合によっては疎遠にもする。

―――僕はいつも、失くしたもののことばかり悔いている。あれやこれやと、後悔ばかりが胸をよぎる。

鳩とクラウジウスの原理  松尾 佑一

2010-06-20 21:59:06 | 読書メモ ま行
《内容》
恋愛に縁のない貧乏青年・磯野のアパートに学生時代の仲間が転がりこんできた。磯野の新しい職場は「鳩航空事業団」。そこでは鳩が恋文を運ぶ伝書鳩サービスを提供している。ある日、伝書鳩が「クラウジウス団」なる連中に拉致されてしまう。彼らの目的は「この世のあらゆる恋愛を妨害すること」。磯野は無事に鳩を相手に届けられるのか?かくして鳩を巡るナンセンスな闘いが幕を上げた。第1回野性時代フロンティア文学賞受賞作。
         (紹介文より)

☆☆☆☆
―――しかし、世の中には、そこに本来あるべきものを、まったく別のものととりかえてしまう悪魔が存在する。その悪魔は人が落胆する姿をことのほか悦んで、酒のつまみなどにしているのだ。
                

僕の明日を照らして  瀬尾まい子

2010-06-20 21:27:01 | 読書メモ さ行
《内容》
やさしいことと、やさしくすることは、違う。中学2年の隼太に新しい父が出来る。優ちゃんと一緒の夜は恐くない、はずだったが。キレて自分を殴る父を、それでも失いたくない隼太が逞しく成長する姿を描く。
           (紹介文より)

☆☆☆☆☆
―――何かをすればした分、ほんのわずかでも変化が起きることがある。

―――たくさん傷ついて、たくさん悲しんで、それでも選んで進んできた。崩すわけにはいかないし、崩れることなんかあるわけがない。もう迷うことはない。


 親子って、親子関係ってなんなんだろう。

ボーダー  垣根涼介

2010-06-20 21:12:58 | 読書メモ か行
《内容》
渋谷でのあの事件から3年。チームを解散し、別の道を歩み始めていたアキとカオル。ところがある日、カオルは級友の慎一郎が見に行ったイベントの話を聞いて愕然とする。それはファイトパーティーを模したもので、あろうことか主催者は“雅”の名を騙っていたのだ。自分たちの過去が暴かれることを恐れ、カオルはアキに接触するが―。
                  (紹介文より)

☆☆☆☆★
面白かった。

インディペンデンス・デイ  原田マハ

2010-06-20 12:10:08 | 読書メモ は行
《内容》
楽しみじゃない?いちから始められるなんて。すごいじゃない?誰にもたよらないなんて。ひとりの女性に、ひとつの独立を!さまざまに悩み、しがらみに揺れる女性たちに贈る連作短篇集。
             (紹介文より)


☆☆☆☆☆
―――人生、甘くない。苦いし辛いし酸っぱいし、けっこうとんでもない。でも、そういう味をちょっとずつブレンドするからこそ、美味しくなるのよね。

―――あのときも、乗り越えた。だからきっと、また乗り越えてやる。

―――おれの、いまの夢?聞いて笑うなよ。すごく単純だから。奈緒と一緒に生きることだよ。ずっとずっと、一緒に。

 「メッセンジャー」の北村さん。辛い気持ちを振り絞って、振り絞って、一人で歩いていく姿に感動。