細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

その日まで 紅雲町珈琲屋こよみ   吉永 南央

2011-11-20 02:20:34 | 読書メモ や・ら・わ行

《内容》

小蔵屋を営む老女・お草は、最近くさくさしている。近所に安さと豊富な品揃えが売りの和雑貨店・つづらが開店し、露骨な営業妨害を仕掛けてくるからだ。しかもつづら出店の裏には詐欺まがいの不動産売買の噂があって、草はほうっておけなくなるが…。コーヒー豆と和食器の店を舞台に、老女が街で起きるもめ事を解決するコージー・ミステリー。                                           (紹介文より)

 

―――どこで買っても、たわしはたわし、ごまはごま

―――一人に慣れるのは寂しいことだが、一人でいられないというのもまたつらいことだ

―――長い歳月の中で、記憶は形を変えてしまう。ある感情は膨らみすぎ、またある感情は疑われる。あるいは、なかったことにさえなるかもしれない。だから、間に合うなら確かめてほしかったのだ。これからの自分のために。


終わらざる夏 (下)      浅田次郎

2011-11-20 01:58:28 | 読書メモ あ行

《内容》

できることはもう何もない。戦場を走るほかには。たとえそこが、まやかしの戦場でも。美しい島で、あの夏、何が起きたのか―。何を信じ、何を守る―。人間の本質に迫る戦争巨編、堂々完結。                   (紹介文より)

―――懐疑をしないということは、真理を忘れるということにちがいない

―――胸のうちには嵐が吹き荒れているであろうに、老夫婦はかたときも微笑みを絶やさなかった。             耐えよ忍べよと大人たちは口を揃えていうけれども、その忍耐を正しく姿かたちに表せば、このほほえみになる。だからこんなにもすてきに見えるのだ。