浄土真宗本願寺派 法徳寺ブログ

神奈川県厚木市にある浄土真宗本願寺派(西)のお寺です。
永代供養墓10万より受付中です。

7月の法話

2012-07-09 10:27:01 | お知らせ
先日、またもや京都へ研修に行ってきました。今度は仏教伝道協会という法人が主催する、全宗派の僧侶が参加でき、
毎年持ち回りで各宗派の本山で研修を行うという、大変有意義な企画です。私は今年4年目で1回目は鎌倉の建長寺、
次は奈良の薬師寺、去年は我が浄土真宗本願寺派、そして今年は比叡山延暦寺でした。比叡山は天台宗の本山で
すが、鎌倉時代に誕生した各宗派は、ほとんどが天台宗を基盤としています。曹洞宗、浄土宗、臨済宗、時宗、日蓮
宗、これらの開祖方は皆、比叡山で修行をしているのです。もちろん浄土真宗の開祖親鸞聖人も比叡山にこもり、修
行や勉学に励みました。それも20年という長き間です。  今回私はたった3日で、修行というには恐縮ですが体験を
してきました。読経、座禅、精進の生活はもちろんですが最終日に行なったのが、回峰行です。これは仏教最高難度
の修行「千日回峰行」のたった1日版です。千日回峰行とは7年間かけ合計1000日、比叡の山々を昇り降りし、一日
30キロ真夜中から歩くという過酷なものです。最後の年には一日80キロになるといいます。幕末から今日までやり遂
げた人は十数人という難行です。今回は(写真1)の長い帽子をかぶった方が先導してくださったのですが、この方、千
日回峰行を成し遂げた高僧です。 この研修ではお年寄りもいるので、距離は18キロほどでした。それでも夜中の1時
に出発し帰還は8時という気が遠くなるような時間でした。  実は私は山歩きが趣味ですから、その距離は楽勝なので
す。そんな自分に試練を与えようと、希望者のみの伝統の草鞋(ワラジ)を着用しました。つま先が飛び出ているという
非常に怪我をし易い作りです。(写真2)おかげで痛みの苦痛に耐えながらの歩行でした。  まずは尾根伝いに横川ま
で行きます。途中の寺に到着するたびにお参りし、お経を唱えるのです。そして琵琶湖のほとりまで降り滋賀院にお参
りします。その頃には夜が明け、休憩と補給がありました。もちろん植物由来の食べ物(パンですが)のみです。(写真3) 
 そこから比叡山まではひたすら登りです。ほとんど寝ていない体には堪えます。(写真4)白装束はいつ死んでも構わな
いという気持ちの表れです。 標高差600メートルを登り切り無事に到着したのは予定通り8時でした。全員の完走はと
てもできません、脱落者は随行車に乗っていいのですが、皆さん悔しそうでした。  たった1日回峰行を体験したのです
が、回る各所に親鸞聖人ゆかりの地との碑があり、聖人が若い頃悟りの道を求めて修行に励まれ、今自分も同じ道を
歩いていると思うと感無量でした。  親鸞聖人はこれらの苦行を成し遂げたうえで、修行など必要ない万人が念仏のみ
で救われる教えに、たどり着いたのでした。伊東知幸 
(写真1)
(写真2)

(写真3)

(写真4)

 

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