9月2日 午後1時半より3時頃 法話会
法話 住職 伊東英幸
参加費無料 どなたでもお参りできます。
先日、朝日新聞の国際欄に、台湾の有名寺院「行天宮」において境内の香炉を撤去し焼香を禁止した。という記事が載っていました。 これは宗教の対立だろうかと思ったら、大気汚染への配慮だそうです。毎年600万人が訪れる行天宮では巨大香炉2基から立ち上る 焼香の煙は相当なもので、PM2.5などの数値が境内で高くなっていることへの対策だそうです。 ![]() 写真1 台湾では焼香から立ち上る煙で天と結ばれるという意味もあるそうで、参詣者の中には「しっくりこない」という意見もあるそうです。 行天宮側は「道徳心さえあればお香は必要ない」としています。 焼香は、仏教の儀式には欠かせないものとして、お釈迦さまご在世の当時から行われていたようです。熱帯のインドでは悪臭を防ぐ 目的で使用され始め、その香りで供養や修行をする場所を清めるために香が焚かれました。 浄土真宗の根本聖典である「仏説無量寿経」には「一切の万物がみな、無量の宝や百千種の香りをもって共に合成し、その香りは あまねく十方世界を薫ずる(意訳)」と香りの効能を教えています。 ![]() 写真2 上記からお焼香の意味を要約すると 「芳しい香りを充満させることで現世や心身の汚れを覆い隠し、お浄土の情景を思い起こさせる雰囲気を作る。そして故人や多くの ご先祖様が極楽の世界で仏となり、今を生きる私たちを見守り続けていることを、実感するひと時を醸し出すこと」だと思います。 浄土真宗の教えではお焼香が供養になるとは考えていません。煩悩の汚れがある私たち凡夫には仏さまに善行を差し向けるこ となどできません。ですから上の記事で行天宮側が言うように、信心さえあればお焼香は必ずしも必要ないと思います。 またお墓参りでよく見かけるのは、大量に線香を焚き、線香皿から溢れるほど供える方です。焼香に量は関係ありませんから、 「1度に大量に」ではなく「少しで良いからを頻繁にお参り」にしてもらえたらと思います。 |