Romarin フランスの草の根となって

住み始めた時は腹がたち、住み慣れると離れがたいフランスにすみ、45年の年月がたちました。日々のことなど綴ります。

ねこの話

2006年05月03日 | 生活
我が家は、なぜか動物がよりついてきます。門を作ると、出入りが面倒なので、門をつけていないせいもあるのでしょうか。
一時期は犬が到来。これはまたの機会にお話します。

今日はねこのお話です。

この写真のねこは一軒おいたお隣さんの猫。この家はいろいろな猫を飼ってはほったらかしにしているようです。この白猫さんのほかに、勇猛果敢な黒猫もいます。この黒猫もうちのねこ然としています。外にでると、「にゃぁ~」とちゃんとしたねこの声で寄ってきます。よくねずみを捕まえてはちぎってうちの前においておくので、ちょっといやですけれど。

何年か前に、夏休みに出かける前に家に風を入れておこうと、地下室の窓を一日開け放ってすっきりとさせてから、日本に出発しました。

一ヵ月後、帰ってみたらなんだか様子が変。
夜に家につきましたが、玄関をあけると泥が点々と。娘の部屋に入ったら、レースのカーテンが千切れている!「あれー!」と言って、地下のガレージに行ったら、ガレージの扉の上から何やらべたっとしたものがこぼれている。おまけに、ガレージの扉(木製)の片隅が四角く切り取られているではありませんか!「何事!」

その日は眠くて疲れていたので、気持ちが悪いままに寝てしまいました。

翌朝、郵便受けに隣人の手紙が入っていました。

『お宅で猫の泣き声がして、近所中の人が集まりました。お留守のようなのでどうしようと思い、勝手ながら、ガレージの上から水を上げたり、食べ物を押し込んだりしましたが、困ったことになったと思い、警察、市役所の役人の立会いの下に、ガレージの扉の片隅一部を切り取り、ねこを救出しました。』

「ええっ!!!!」驚きのあまり話を聞きに。
ねこ君は窓を開けたときに家に入り込んで、そのままになってしまったらしいです。すぐそばのお隣の奥さんが、猫の鳴き声のすごさにびっくりしたそうです。ねこって危険を訴えるときは相当の声で鳴くようですね。
もうひとつのお隣さんが、えさ、水を上げ、木のガレージの扉の下に四角く穴を開けました。そして、この人が警察など呼びました。

ガレージの扉に穴を開けるのには近所の人の意見がかなり分かれたみたいで、あけた隣人は非難を受けたようです。

われわれとしては、ねこの死骸が家の中にあるよりは助け出してくれたことで、よかったとの思いが強く、ケーキを持って御礼に行きました。

実はこの隣人は意地悪な人で、皆に嫌われている変わり者なんです。うちもかなりの嫌がらせを言われました。
でも今回はありがたいと思ったものですから、心より感謝の気持ちを込めてお礼申し上げました。

それ以来、パタッと意地悪がなくなり、顔をあわせるたびににこやかに挨拶してくれます。

思わぬ出来事でしたが、私にとってはねこが福を呼んだような気がします。