また山廻り、広い牧場の中を歩くとフーフーと不気味な風の音がする。そうだこれは嵐の前触れの風の音だ。じきに雨になるだろう、いやここは高いからみぞれかもしれない、早く済まして帰ろうと思うが一面の雪の原はまだまだ続く。ざくざくとした雪は速く歩こうとしてもはかどらない、疲れるだけだ、焦らず確実に雪を踏みしめて。歩を止めて西の空を見る、雲がざわつく、天気は悪い。
林の中に入るとさすがにもう食べれるキノコは出てないがきれいなサルノコシカケが出ていた。カモシカ君がじっとこっちを見ている。一人歩くときのみんな友だ。