兵頭新児の女災対策的読書

「女災」とは「女性災害」の略、女性がそのジェンダーを濫用することで男性が被る厄災を指します。

トンデモフェミニズム本の世界

2017-11-18 02:13:59 | フェミニズム



フェミニズムをめぐる10のファクト


 さて、「トンデモフェミニズム」と書いたモノの、フェミニズム自体がトンデモなわけで、この言葉自体が「頭の頭痛が痛い」みたいなものなのですが、ここではトンデモ、つまり疑似科学などへの妄信と、フェミニズムへの盲信とを比較、それらの共通点を見ることで両者が同じ構造を持っていることを指摘していきたいと思います。本稿を読み終えた時、あなたはきっとフェミニズムがオカルトの一種であり、その中でも最も非論理的で非理性的で反社会的なモノであると理解していることでしょう。

ファクト1
都合の悪いファクトは目に入れない


 初っ端からナンですが、これは前回(『トンデモ本の世界F』、及び『トンデモ本の世界G』。以降、『F』、『G』と略記)に詳しく述べました。
 フェミニストは自らの過ちを絶対に認めないし、自分にとって都合の悪いファクトを絶対に認めません。そもそもフェミニズムそのものが最初から間違っており、しかしながらそれを認めることができないのですから、後はファクトを否定していくより仕方がないのです。
『トンデモ本の世界』では清家新一という人物について一項が割かれ、解説されています。UFOを製作しようとしているトンデモ科学者なのですが、京大の学園祭で講演をしたことがあります。「学園祭での講演で、京大が招いたわけではない」とあるので、恐らくサークルから面白半分に招かれたのでしょう。
 しかしそこで彼は、受講者に矛盾を突かれても、平然と講義を続けたと言います。

 すべてこの調子である。答えられない質問が来ると、急に黒板に公式を書き始め、まったく関係のないことを喋り始めるのだ。わざとごまかしている様子はなく、天然のパフォーマンスであるらしい。
(293p)


 これはまた、「終末予言」を唱える人たちにも同じことが言えましょう。『トンデモ本の世界』には「富士皇朝」についてもレポートがありました。オウム事件に掻き消された感もありますが、復古主義を唱え、ホンキで政府転覆を企んでいた危険な団体です。この会の構成員も「1994年6月24日、東京に大地震が起こる」との教祖の予言を信じ、それに乗じたクーデターを企んでいました。が、当然、地震などは起こらずとんだ肩すかし。しかし教祖の「自分は予言をカタカナによって発したのに、信者たちがそれをひらがなで発音し、伝えたがため、予言が成就しなかった」という声明に、信者たちは納得していたといいます(いや、読んでるあなたも意味がわからないでしょうが、ぼくだって書いていてわかりません。ただ、彼らはそれで納得したのです)。
『トンデモ大予言の後始末』は2000年に出されたノストラダムス騒動について書かれた本ですが、ここにも予言が外れた研究家が、何ら反省のなかった様子が繰り返し書かれています。
 フェミニストもこれと同様です。彼ら彼女らが数分前に言ったことを平然と翻し、ログが残っているのにそれを全く気にする様子もなく勝ち誇っている、自分の言ったことをその場で明確に否定する証拠を提出されても、過ちを認めることなく話題を変えるのみ……といった様を、ぼくたちは無限回数目にしてきました*1
 彼ら彼女らの脳には、同じメーカーで作られたファイアーウォールが入れられているとしか、考えようがありません。

*1 本当に枚挙に暇がないのですが、ここでは小山エミ師匠の「自分の言ったことを直後に翻し、しかし自覚が全くない」という驚くべき振る舞いを挙げておきましょう。
「オカマ」は女湯には入れるのか?
「オカマ」は女湯には入れるのか?Ⅱ


ファクト2
夥しい虚構の体系を築き上げている


 と学会の誇るデバンカー(オカルト解明家)、皆神龍太郎さんは『トンデモUFO入門』で以下のように述べています。

 僕がUFOを面白いと感じるのは、たとえばロズウェル事件なんか、ものすごくたくさんの証言やデータがあって、内容的にはガチガチに固まっているわけ。それらを読めば、UFOは墜落していて、宇宙人の死体がどこかに隠されているとしか思えない。でも、「なんかヘンだな」と思う小さな穴を見つけて、それに指を突っ込んで徐々に拡げていってみたら、最後には全部が嘘と勘違いだらけの瓦礫の山に変わっていってしまった。まったくの虚構の上に、巨大な帝国が築かれていただけ、ということが一望に見渡せるわけなんだ。これがなかなか気持ちいいんですよ。
(215-216p)


 ロズウェル事件というのは1947年、UFOが墜落し、米軍がそれを回収したとされる事件です。が、そのUFOは単なる米軍の気球でした。実のところすぐにオチがついて忘れ去られていたのが、80年代になってから「俺は宇宙人の死体を見た」などと言い出す人物が現れ、蒸し返された事件なのですが、そうした証言者たちはとても信頼の置けない人物ばかり。何しろUFOの墜落地点自体が、この人たちの証言のおかげであちこち複数に渡る結果になってしまいました。
 彼らは実に熱心に証拠を「捏造」します。そして「信者」同士でその「証拠」を引用しあいます。元はチラシの裏にマジックで書いたような「政府文書」でも、そうする内に「何か、みんな言ってるし」「いろんな本に書いてあったし」と嘘が信憑性を帯びてくることになるのです。
 こうした嘘にはまた、もう一つの傾向があります。
 ジョージ・アダムスキーをご存じでしょうか。いわゆる「アダムスキー型のUFO」に乗った金星人と友だちになったと自称し、その金星人の説く「宇宙哲学」を広め、教祖的存在に収まった人物です。が、彼はかつて(UFOと遭遇するよりずっと前に)SF小説を書いており、その内容が金星人との遭遇や、その金星人が語る「宇宙哲学」とそっくりだったのです。
 普通はここで「ははーん」となるところでしょうが、アダムスキーは「そのSF小説は幽体離脱してUFOに乗った時の体験を書いたものだ、と説明しました。仮に幽体離脱を信じるにせよ、「では何故、その時は小説という形で発表し、二度目は実体験であると称したのか」、「一度幽体離脱して経験したのとそっくりな経験を、もう一度繰り返すのって何かヘンじゃないか」などいくつも疑問が湧き上がってしまいますが、信者たちは納得したようです。この種のオカルトを体験したと称する人物は、疑問点を突っ込まれては言い訳を繰り返すというのが常なのですが、その言い訳は「一応、その場の対処療法的な説明はなされているが、一歩引いて見ると不自然極まりない」という特徴があるようです。それはつまり、目的が既に「本当にUFOに乗ったのか」という疑問を究明することではなく、「UFOに乗った」という大前提を守ることにすり替わってしまっているからでしょう。
 フェミニストの主張もまた、これと同じです。「嘘に嘘を重ねるためわけのわからないモノになっていくが、本人たちだけは自分のついた嘘を信じ込んでいる」という彼ら彼女らの奇態はネットを見ているだけで明らかです。
 彼ら彼女らは今まで、「ラディカル/リベラルフェミニズム」についてのデマ、「ツイフェミ」「まなざし村」などといった(無意味な)用語の捏造を続けて来ました。多摩湖師匠は最近、「ネオリブ」という概念を提唱しています*2。本人の弁によればフェミニズムに失望し、見切りをつけ、新たな運動を始めるのだということですが……その言は幼稚な自己肯定感に酔ったポエムというべきもので、「ネオリブとは要するに何なのか、フェミニズムとどう違うのか」は、見事なほどに一切伝わってきません。
「ネオリブ」をウィキで検索してみてください。「中ピ連」の項目に飛ばされます。「中ピ連」といえば70年代に活動していた「ウーマンリブ」団体であり、「ネオリブ」とは彼女らが出していた機関誌の名前。つまり「ネオリブ」という名前自体が遙かな昔に既に使われていたものなのですが、更に「ノート」*3や「削除依頼」*4を見ていくと興味深い事実がわかります。どうもごく少数の「信者」が多摩湖師匠のつぶやきを根拠に新たに「ネオリブ」という項目を作ったものの、根拠薄弱として削除されてしまったらしい。ハクをつけようとして小山エミ師匠のコメントにもリンクしたものの、「関係ないだろ」とツッコミを受けてしまった痕跡もあります。
 そう、ことほどさように「嘘も百回つけば本当になる」がUFO信者、そしてフェミ信者のやり方です。
 フェミニズムは、虚構の上に築かれた、巨大な帝国だったのです。

*2「ネオリブの産声
*3「ノート:ネオ・リブ
*4「削除依頼/ネオ・リブ


ファクト3
往々にして、他のトンデモさんへの反論は当を得ている


 近年の、(少なくともネット世論における)フェミニズムの評判は、「地に落ちた」との表現がぴったり来ます。何しろ、ぼくが「オタク界のトップ」と呼ぶような連中までフェミニストを批判するツイートをしていたりします。名前を挙げることは控えますが、お堅い職業に就いて、表現の自由を守ると称する運動に関わっている人物までが「フェミニスト」を主語にした批判ツイートをしていたのは、さすがに驚きでした。
 が、ぼくは常に彼らに対して否定的です。それは言うまでもなく、彼らの「フェミニズム批判」とやらが「フェミニズムがポルノを攻撃する」点にのみ動機づけられた他愛ないものであり、フェミニズムの全体性を批判する視点を持ち得てはいないからです。彼らはまなざし村、ツイフェミといった言葉を捏造することに実に熱心で、ここにフェミニストを延命させるという秘められた目的があることは、自明だからです。上の人物もまた、裏ではフェミニストの悪事を隠蔽するための陰湿な脅迫活動に従事しておいででいらっしゃいます。この辺りは何度も書いているので、細かいことは省略しましょう。
 ただ、しかし、それにしても。
 見ていて彼らの「フェミ批判」、そしてまた彼らの持ち上げる「真のフェミ」の発言などは、それ自体は頷けることが多い(ただしこれは、ただ単に観念的なキレイゴトを並べているだけだからという側面も、当然あります)。
 そしてこれはそのまま、トンデモさんの特徴でもあるのです。
 前回(『G』)でも指摘した通り、トンデモ本シリーズを読んでいると、山本師匠は本当に幾度も幾度も「トンデモさんは自分に当てはまる言葉で相手を批判する」と繰り返しています。が、これは逆に言うと彼らが「普段は知的だが、ある一点にだけは平静さを失っている」ということでもあるのです。
 武田了円というお坊さんがいます。彼の著作は『トンデモ本の世界』、『トンデモ本の逆襲』の二冊に渡りされており、そこにはお札(日本で使われている普通の紙幣)に悪魔の顔や性的なシンボルが描かれており、そのサブリミナル効果で日本人は洗脳されている、そしてその黒幕はニャントロ星人だ、といったとんでもない主張がなされています。しかし、彼はそこまでぶっとんだ主張をしながら、アダムスキーなど他の宇宙人実在論者たちの話は否定するのです。山本師匠も(武田氏をこき下ろしつつも)その箇所については「この分析はなかなか鋭い」「同感!」と賛意を示しています。
 また、ノストラダムス研究家同士も、予言詩の解釈について争ったりします(確かと学会の本で、テレビ番組でそのような事態が起こったことを面白おかしく描写していたものがあったはずなのですが、今回は発見できませんでした)。
 もっとも、これについては不思議がることではありません。武田氏は「宇宙人悪者派」なのだから、「宇宙人救世主説」を唱えているアダムスキーなどとソリが悪いのは当たり前。ノストラダムス研究家にしてもバイブルの盲信者が、互いに相手のバイブル解釈を巡って罵りあっているだけで、当たり前すぎるほど当たり前な光景でしょう。
 そしてそれはポルノ反対派のフェミニストと、ポルノ容認派を自称するフェミニストが争うのと全く同じです。一歩引いて見れば同じ穴のムジナの、ちょっとした立場の違いによる「コップの中での大バトル」にすぎないのですが、渦中にいるものはついつい、争いが大きなモノであるかのように錯覚してしまっているというだけのことなのです。

ファクト4
互いに矛盾しあう説を両方信じる


 そしてまた、彼ら彼女らはこうした矛盾に満ちた精神状態に陥ることがあります。
 これは「ファクト3」に真っ向から相反する現象に見えて、実は全く同じ理由によるものであるといえます。
 近年、エマ・ワトソンがフェミニズム批判めいた発言をして話題になりました。この時のフェミ信者たちのリアクションは、大変におかしなものでした*5。ワトソンの舌鋒鋭いフェミ批判に対し一体全体どういうわけか、「このような発言をする者がいるから、フェミはやはり正しかったのだ」とのアクロバティックな解釈をしてしまったのです。
「そうだ、これだからフェミはダメだ」と肯定するなら、或いは「ワトソンの発言は不当だ、何となればフェミは正しいのだから」と否定するなら、(全体としての整合性は置くとして、その場の)辻褄はあっています。しかし彼らの言い分をそのまま解釈すると「エマも、従来のフェミも両方とも正しい」とのおかしな理屈になってしまいます。いえ、彼ら彼女らはこう指摘されても、それのどこがおかしいのかすら、理解がおぼつかないことでしょう。
 しかし、これはトンデモさんにも見られる傾向です。
 例えば『週刊現代』。『トンデモ大予言の後始末』によれば、当時の編集者さんの中にトンデモさんがいたらしく、98年から99年にかけてやたらとノストラダムス特集を組んでいたのです。が、誌上に登場した「ノストラダムス研究家」は多数に渡りましたが、1999年7の月に何が起こるのかについては、みんな言うことがバラバラ。地震や洪水、火山の噴火、隕石、宇宙人の侵略、ユーゴ紛争の激化、グランドクロスによる異常現象。一体どれがホントの「恐怖の大王」なんだ!?
「真に信ずる研究家」の言だけを掲載すればいい話なのに、何故こんな百花繚乱の様相を呈してしまうのか。誌面にバラエティを持たせるため? ならばお馴染みの肯定派否定派のバトルにすればいい。ノストラダムス自身は信じているが、いずれの解釈が正しいかは決めかねているから? それもおかしい。「ノストラダムスの予言が信じるに足る」と考えるには既に当たった予言があるという前提があるはずであり、その当たった予言を解釈した者だけを信じればいいはずです。
 ならばやはり、編集者は互いに相矛盾する予言をいずれも信じている……ということになってしまいます。
 結局、ノストラダムス研究家が予言を外しても「今度こそ当てよう」と懲りずにまたノストラダムスの本を開くのと同様で、(また、先のアダムスキーの言い訳と同じで)彼らは「何か、とにかくノストラダムスは正しい」という大前提を守ることだけが目的化していて、その内実は実のところ、どうでもいいのでしょう。それは「エマ・ワトソンを称揚するフェミ信者」の心性と「完全に一致」しています。

*5「エマ・ワトソンのHeForShe国連演説と弱者男性論について(CDBさんVS青識亜論 +借金玉さん)


ファクト5
自分が依って立っているはずのものについての知識が皆無

 フェミ信者がフェミニズムに対する知識を全く持っていないことは、前回お伝えした(『F』)山本師匠の発言からもわかります。
 そしてこれがトンデモさんにも共通の特徴であることは、山本師匠が繰り返し述べています。彼は「UFOビリーバーは無知だ、UFO事件として大変有名な○○事件も知らない」といったことをよく書いています。もっとも、何しろ博学な山本師匠のことですから、彼の挙げる「○○事件」については、困ったことにそれなりのUFOマニアのつもりのぼくも知らないことが大半なのですが……。
 ただし、これについてはちょっと違うな、と思う部分もあります。「UFOビリーバー」は、例えばアダムスキーならアダムスキーだけが正しいとして、他のUFO事件は嘘であるとしていることが多い。となると山本師匠の言は宗教学者がキリスト教の(熱心な、しかし末端の)信者に「お前は宗教が好きなくせに仏教のこれこれの説話も知らないのか」と言いがかりをつけているのと同じです。
 ただ、更に言えば「フェミ信者」の多くは例えば素朴なピル神の信者であったり、或いは彼らに影響を与えている左派言論人がフェミ信者であるから、それを鵜呑みにしているだけであったりするのが実情です。だからぼくが山本師匠を「フェミについて知らないのか」と詰るのもまた、宗教学者がキリスト教の(熱心な、しかし末端の)信者に「お前は宗教が好きなくせに仏教のこれこれの説話も知らないのか」と言いがかりをつけているのと同じなのかも知れません。

 ――さて、10のうち、ようやっと五つまでをご紹介しましたが、ここまででそこそこページを消費してしまいました。
 残りの五つはまた来週と言うことで……。