「ガクガク(((( ;゜Д゜))))ブルブル」
という顔文字があります。
何か、見ていてムカつきません?
いや、ぼくも使ったことがあるので、あんまり偉そうなことは言えないのですが、得意げにこの顔文字を使う人間というのは、何だかさもしい感じがしてしまうのです。
例えばですが、ご贔屓にしている漫画家のアンチスレを何となく眺めていたら、この顔文字が、漫画家への罵倒と共に貼られていた……というところをちょっと想像してみてください。
ほら、ムカついたでしょう?
これはつまり「人を罵倒しておきながら被害者ヅラしてんじゃねーよ」というムカつきですね。ある意味、今の社会において、「被害者は最強の権力者だ」ということを誰もが理解し、受け容れているのだという一例です。
さて、現在発売中の『宝島』6月号の大特集は「あなたの隣の怖い女」です。ぼくも巻頭言(って言うんでしょうか?)を一言、添えさせていただきました。
キャッチコピーは「実録!パワハラ女、婚外恋愛妻、虐待ママ、婚活魔女etc.」となっていて、ぼくの主張とも親和性のある内容になっています。と言うより、しょせんはインドア派のぼくの本より、本書を読んだ方が遙かに女性の恐ろしさを実感することができるでしょう。
ぼくも本書を読むことでいかに今の男性たちがおぞましい女災の被害に遭ってるかをまざまざと知らされました。
その意味で、オタクをやってる俺ってやっぱ勝ち組なんだな、とも思います。『電波男』以降、普遍的になされるようになった「オタクは現実に勝った」「二次元へと旅立った俺らは勝ち組」という物言いには「戦略的」には賛同しつつも、実はいささかの違和を感じていたのですが、本特集を読む限りではやっぱりぼくたち、勝ちのようですw
少なくとも「女>>>>越えられない壁>>>>男」などと弾言したり「社会は女尊男卑だが、それでいいのだ」と真顔で言ったりする人たちに比べれば。
さて、負け組たちは見捨て、安全地帯からの女災観測を続けましょう。
「怖い女」が増えていることは特集を読めば明らかです。
ただ、ちょっと思ったことなのですが、上に書いたネット上における必殺の攻撃呪文、「ガクガク(((( ;゜Д゜))))ブルブル」は女性たちには通用するのでしょうか?
上の特集について、ネットにおいて批判が聞かれました。
「怖いと言うだけで女性の悪しき点に対して正面からの非難はしていないではないか」と言ったようなものだったかと思います。
確かに、それはわかります。
上に「被害者に回ることこそが勝ちである」と書きましたが、女性に対して「被害者に回る」ことは、残念ながら「勝ち」にはなりません。ぼくたちのこのセカイでは、第一階層に「女は絶対被害者」という設定がなされているので、男が女に対して被害者に回っても、残念なことに世間から同情してはもらえないわけなのですから。
よって、「怖い女」の「怖い行為」は常に「本来弱者である女性の、強者である男性へのカウンターアタック」として解釈されます。それ以外の解釈を、世間は認めません。
その意味で「怖い女」という表現に歯痒いものを感じるのも、わからないではありません。
しかし、とは言え、だからこそ「怖がる」ことで女性を「立てる」フリをしつつ、その「怖さ」の本質を突く、つまり「怖い女特集」のフリをして「悪い、否定すべき女特集」を組んでしまうというゲリラ作戦も有効なのではないかと思います。
この特集は一応、そういった一定の戦果を収め得たのではないか……と思うのですが、いかがでしょうか?
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