政府は新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、安倍首相が先手先手で対応するよう指示したけれど、その先手の一つなのか日曜日に、近くの総合病院の入り口に「COVID-19感染防止のため、患者さんへの見舞いはお断りします」との看板が立てられていた。至極真っ当な対応に見えるけれど、結局入院患者の安全を名目に、月曜日以降は咳をしたり新型肺炎の疑いのある相談者も事実上シャットアウトしていくのは目に見えている。
政府も心配な人はまず電話で保健所に相談しろと、国民の不安に応えるどころか、医療従事者の不安を優先する姿勢を示している。体調に心配が出てきてそんなところに電話してもまず繋がりが悪いであろうし、町医者に相談しろと紹介されても、町医者も逃げ腰になるのではないか。
結局、何の処置も施されずに自己管理だけしか頼れず、そのうちに症状が悪化するとともに、さらに感染が拡大することが予想される。専門家は「正しく恐れる」よう指導しているけれど、それは一般国民に我慢を強いて、医療従事者や病院施設が「正しく恐れて」、「病原菌」に対し門戸を閉ざし、逃げやすくする口実にしかならない。
追って開かれた専門家会議では、診療の目安をいずれ示すなどとお茶を濁し、結局病院に寄りつけるのは特別な階級の者だけに絞り、平民は自己診断で勝手に生き延びろと言っているようなものである。
本場の中国では、全国の医療従事者を習政権が強制的に搔き集めて決死の態勢で検疫、診療に当たらせていたけれど、選挙時以外は上級国民しか眼中にない安倍政権にはそれは期待できないだろう。已んぬる哉。
後手を踏み
敵に囲まる
陣地捨て
殿と周りは
堅く籠城