弥生朔、春の入りかあ。March ということで「行進の日」とされている。例年なら穏やかな春風に、若い女性の着物の裾が揺れ乱れるくらいでも、つい淫らな気持ちが湧き熾り勝ちな好日だけれど、今年ばかりは濃厚接触の意欲も起きにくい。３月の予定表を見ると、書き入れにすべて斜線が入り、白紙と言うか、政府文書のように全面黒塗りで隠滅されている。浮き立たない春だねえ。
昨夕の新型コロナウイルス対策で『国民に告ぐ』の安倍首相会見は非常事態の緊迫感が全く伝わらず、何や、てなもんやった。唐突異例な27日の全国小中高校休校勧告を説明しただけで、２日も時間を掛けた割には拍子抜けの内容で、あの程度なら文部科学省初等中等および高等教育局長か課長に任せても良かったな。記者との質疑応答も想定問答集を読み上げるだけの印象で、八百長相撲みたいだった。最後に江川さんだか望月さんだか、ややこしい声が上がると、時間切れお開き、って、よう言わんわ。NHKテレビとコネクティングルームで繋がっているようなお局解説が始まったので、慌てて切った。
後手後手の非難に、どこの局だったか視聴者の声として、こんなウイルス感染は初めての事態なので誰も上手く対処できないのだから無闇に責任をあげつらうのは怪しからんと言うのを紹介していたけれど、呆れて気が抜けた。連続テレビ小説の海女ちゃんはヒットしたけれど、只のあまちゃんが世の中に蔓延しているとは驚いた。社会人は誰でも日常生活でいつも初めて遭遇する事態に対処し切り抜けているではないか。18の生娘でも新婚初夜に、初めてだからと言って、粗相したりせず、大概は上手くやり遂げているはずである。以前に経験していなくても、耳学問でも庶民は対処できるのに、一国の総理大臣に初めての事だからと忖度するのは、逆に失礼だと思う。憲法改正をライフワークに掲げ、国軍の最高司令官たる総理大臣である。戦争放棄条項はあっても、国難が襲えば戦争を命令する唯一の責任者なのだから、既に攻撃されているのに発令までに心を整理するため２日間くださいと言う腰抜けが最高司令官だったら戦わずして国が滅びる。人口数百万の国のトップでもそういう気概を持って職務を遂行している。独り本邦のみ怯懦の者であってはならない。
そんなことより今は、米サウスカロライナ州の大統領選民主党予備選の行方が気になる。私が応援団日本支部長をしているバーニー・サンダース氏より、前オバマ政権の副大統領だったジョー・バイデン氏が事前予想で圧倒的有利に立っているというではないか。万一ここで惨敗すれば、序盤3州での勝利のモメンタムが雲散する恐れがある。米国社会に公正さを取り戻すために、是が非でもサンダース氏を勝たさねばならない。
月ごよみ
誌しき予定
軒並みに
斜め線入り
消ゆぞ悲しき