昨夜は大相撲TV観戦の後、散歩に出たら、早や夜桜が妖艶であった。陽光を浴びた薄桃色の清楚なのも好いけれど、紅墨色の目を凝らさなければ色調がよく分からないのを本当の色をまさぐりながら想像して楽しむのもまた良いものである。余所の敷地の桜並木ではあったけれど、別にご近所の風呂場の窓から女子大生が入浴しているのを覗き見しているわけではないから、道路脇から見せてもらうくらい構わないであろう。ちょうど貴景勝が好調阿武咲を突き出しで下して7敗を守り、負け越さなかった後だったので、コンビニでワンカップ大関を買って花見酒にした。妖しい色の花びらの合間から宵の明星が煌めいていて、自ずと幽玄の世界に浸った。
花枝の先に宵の明星
夜桜
早朝の桜
しかし、現実の世に引き戻されると、時には三波春夫を口ずさみながら何年も待ちに待った東京五輪がまさか中止に追い込まれるのではないかとびくびくする日々である。56年前の大松監督、河西主将らの女子バレー金メダルを覚えていると言っても、記憶が薄らぎ、もう一度あの感動を生で観てみたいのが人間の性である。せっかくのこの機会を逃すと、もう50年も寿命が延びるはずがない最後のチャンスと言える。そういう気持ちの分からない無責任な毛唐、紅毛人たちが新型コロナウイルス感染拡大中に危険だからと中止を囃しているのは誠に遺憾なことである。
今日は国連が定めた世界水の日なので、水を掛けられる不吉な予感がし、主催団体から発表があるかもしれない。そんなことになれば、温かいお持て成しの心で迎えようとしていた日本国民全体はどんなに悲しむことか。不幸中の幸いで私は申し込んだ五輪チケットが悉く外れたから、まだ金は使っていない。当たった人は楽しみの競技が観戦できないうえ、もう買っていれば払い戻してもらえないという。何たる理不尽なことか。政権幹部や五輪主催者中枢ら優先枠を与えられている連中はどうなのだろうか。最初から無料チケットの招待席なら問題はない。格安でも有料の場合は特別に払い戻しがあるのだろうか。まさか、桜を見る会に招待したような数万人分を首相官邸に請求するわけにもいくまい。関係者は確実に飛ばされる。結局、優先枠の人々は最初から無かったことにするであろう。
しかし、国立競技スタジアムを始め、五輪準備費用は数兆円にも上る。これを無開催で回収するのは大変な技であろう。収入が期待できるのはチケット代金しかない。各種競技場建設費を償うにはスズメの涙かもしれなくても、一般販売チケット代金を返却できるわけがない。これだけでは、いかにも心許ないので、優先枠ゾーン席の優待者からも、国家財政危難の折、相当料金を払い込んでもらっては如何なものであろうか。旅行社であろうと新聞社であろうと忖度すべきではない。
政権幹部や五輪主催者中枢が予定通り開催を泣き叫んでいるのはこうした事情が背景にあるのだろうか。知ったことではない。電通と縁もゆかりもない。万一不幸にも、中止が決定されれば、私は東京五輪2020本部に落としてくれて有り難うメールを打つだろう。あとは、当選者や優先枠闇待遇者からはしっかり取り立てるよう激励メールも送るかもしれない。総理府で首相らの招待名簿を保管していたらまだシュレッダーに掛けていないだろうから、公表してくれれば、直接お悔やみ状を送ることもできる。延期の場合には、御破算に願いまして一から公明正大にやり直そうではありませんか。
遠山の
金さん肩に
花吹雪
桜越し観ゆ
宵の明星
花枝の先に宵の明星
夜桜
早朝の桜
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