皐月朔日(金)、もう5月入り、令和の元号を去年使い始めた日。誕生日の花は、人それぞれの好みであろうけれど、爽やかに鈴蘭にしとこうか。人生のホームストレッチに入ると、日が経つのが、加速度的に転がり落ちる気がする。
ぼちぼち天皇賞の検討を始めないといけない。最近はスポーツといえば、生ものは競馬と、その親類くらいのものとなった。天高く馬肥ゆるとは、こういう意味だったのか。その他競技の懐古物でお茶を濁した話には、出涸らしみたいで、飽き飽きした。スポーツ・ライターの失業状態の生活補償を読者、視聴者が負担する義務はないので、もう止めてほしい気がする。
5月1日といえば、和泉式部が新たな恋人となった敦道親王(冷泉天皇の御子)に
ほととぎす 世に隠れたる 忍び音を いつかは聞かん 今日も過ぎなば
―と、早くお会いしたい気持ちの和歌を4月30日に書状に認めたけれど、宮の周りに人が多くてお見せできなかったのを、翌朝に持って行ってもらって、ご覧になっていただいた日である。敦道親王からは、
忍び音は 苦しきものを ほととぎす 小高き声を 今日よりは聞け
―と、正妻に隠れてこそこそ忍ぶようなことはしないで、今日からは思い切り会いにいくからね、との返歌を貰った日でもある。「五月待つ 花橘の 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする」(古今和歌集巻3夏歌)と古歌に歌われているように、陽気が誘って身も心もむずむずする5月は、今も昔も恋の季節であった。
いつも霜月のような我が身には縁の無い話なので、昔の人の薫りをかぎにではなく、夏日になった陽気に誘われて、どっかに咲き出していそうな菖蒲の花を探しに、散歩に出掛けるとしよう。
ころなきん
避けて忍ぶ世
厭はしく
流行り過ぐれば
欲しきまませむ
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