青森県平内町の雷電宮をお参りした。ご祭神は別雷命(わけいかづちのみこと)で、祈雨を司り五穀豊穣をもたらす神として崇敬されている。
近くの建物に落雷注意の貼り紙があり、訝しかったけれど、御名通り雷難除去の神威もあるという。有名なのは向かいの陸奥湾の小湊に白鳥の大群が渡来することである。白鳥を神の使姫と同宮は敬愛している。平家物語の富士川の合戦ではないが、地元領主の窮地を白鳥の大群飛来によって救った伝説もある。
神社裏の林に入ってあちこち探したが、通りすがりの参拝だったので生憎秋の飛来季節に合わず、1羽も見付からなかった。代わりに黒鳥の烏がガーガー騒いでいた。小湊に出て、タバコを吸ってる初老男性に不運を嘆いたら、「俺に言わせれば、なんで来るの?」と冷ややかだった。当地の事情をよく知らずに来たのだから、そんな白鳥なことを言わないで、と地元愛の無さを憎んだ。でも神は裏切らなかった。粘っていると、鴨らしき鳥が浅瀬に1、2羽、上空に1、2羽現れた。人の不幸を憐れんで召し遣わされたのだと確信した。
一羽とて
白鳥来ぬも
いかづちの
神優しくも
鴨を召しけり
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