若い頃、広島に勤務した経験から、牡蠣は冬が旬という固定観念があった。だから、村上市の日本海夕日ラインを走っていて、「岩ガキ」ののぼり旗が目に付いた時には、食わせものだろうと高を括ったが、ちょうど昼時だったので、一応試してみようと急停車した。カキ氷でなく本当にカキがあるのですかと聞くと、そうだと言うので中型2個セットを注文した。想像を絶して美味かった。炎暑の中を走って大汗を掻いていたこともあって、潮がよく効いていたのと、レモン汁が合わさって、ミルキーなカキ果汁と見事なハーモニーを醸して、干乾びそうな体中を駆け巡った。冷えたビール缶が目に入ったが、貝のように固く我慢した。何のアピタイザーの助けがなくても、笹川流れの岩牡蠣の豊潤な味、感触だけで幸福だった。
岩牡蠣は
笹川流れ
と太鼓押す
亭主の会話
実が弾けけり
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