梅雨の気候のせいなのか最近、寝ていてふくらはぎがつる、こむら返りの頻度が増えてきた。しかも、質が悪いことに復旧までの時間が伸びてきている。しかし、これは力を抜き、体の角度を変え、しばらく我慢していると、眠気を除いて元に戻ってくれる。
もっと深刻なのが顔の痙攣である。左目の縁の頬がヒクヒク収縮する度合いが強度を増して増えてきた。小学校低学年のころ、学校の手洗い水場付近のがれきを踏み外して顔から転倒し、左目の縁に5針の傷を負った後遺症かもしれない。顔に赤い色紙を貼っているのかと思った、と級友に言われるくらいの大怪我だった。あるいは新入社員研修のとき、夜の懇親会で酔いつぶれ、翌朝の研修2日目に向かう廊下で意識を失い、手で庇うことなしに床に顔を叩き付け、左頬を骨折した名残かもしれない。
若気の至りと笑って済ませられない影を、年を経るに従い色濃く人生に落としてくる。慢性の腰痛、膝関節症だけでなく、野球で壊した肩、テニスで痛めた肘、健康法のつもりで長年続けたジョギングの結果なのか足の甲の痛み、どれもこれも一度壊すと快癒することはなく、一生付きまとわれ、影響が鈍ることはない。生・老・死の不可逆性は命の抽象概念ではなく、人体において忠実に進行する。人間は約60兆個の細胞で成り立ち、1日に1兆個の細胞が生まれ変わるといわれるので、2カ月ですべて更新できる机上計算になる。しかし、部位によって新陳代謝のスピードはまちまちであり、トータルとして老化は止まらないのである。
一番痛切に感じるのは歯と目の衰え、欠損である。手入れを怠って青春を暴走したことを反省しても、後悔先に立たずである。歯目まら、とはよく言ったものである。順序に個人差があっても着実に落日がやってくる。いや、そうとも一概に言えないか。憎らしいくらい眼も歯も丈夫な先輩老人をよく見る。それどころか生涯現役の話を聞いたりもする。そういう例外は、人間というより動物に分類した方が良い、と悔し紛れに思う。
とはいえ喪失感を最も感じるのは、男の精力の減退、Vanishing manhood である。人生のターミナルに到着した寂しさがこみ上げる。できれば獣と陰口を叩かれても、野生を残しておきたいし、現役は羨ましい。かと言って、歯や目が元に戻る嬉しさと比べて、現実に精力が戻ってくると、そんなに美しくは感じられないし、疎ましくなるかもしれない。いずれにせよ、架空の期待話は無駄である。
女性の喪失感はどうなのだろう。膜が破れても、歯や目と違って外見から分かるわけでなく、噛んだり見たりのように機能が損じるわけではないから、物理的影響は皆無であろう。しかし、情緒的にはいつまでも取って置きたいとか、慚愧とか、思い出したくないとか、深く刻まれているはずである。人生の一齣一齣が一生の記録、記憶として付いて回ることは避けられない。永遠に保ちたい現在もすべて過ぎ行く過去となるのに、過去の束縛から現在は逃れられない。しかし、過去の亡霊が実際に戻るわけではない。男も女も、失くした物にいつまでも拘らずに、あっさりバイバイ、サヨナラする方が、今の自分を程よく展開できる道だと思う。
英語勉強のため愛読する英紙 The Sun のきょう見た記事によると、女性を絶頂にさせるペニスの最適サイズは8インチ=20.32センチだそうである。物差しで測った実感から誤訳でないか再三読み直したけれど、間違いなかった。何やかや言っても、大英帝国である。4761人の女性に直近の体験から思い出してもらった調査の回答である。読む気が失せたけれど、勉強のため無理に読み進めると、「マイクロ・ペニス」と見なされる3インチ(7.62センチ)でも、4分の1の女性が大変満足を得たという。さらに朗報は、1インチ(2.54センチ)の男性でも、10人に1人は女性を大いに満足させることができたと報じている。その他、胴回りの事や、大きくさせる方法などを記しているけれど、直接自分の参考にならないので割愛する。
一瞬は
帰らざれども
なほ残る
記憶と記録
積み重ねつつ
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