依水園の創始者である関藤次郎が孫の初節句の為
あつらえた雛人形”曲水の宴”を再現した
平飾りのおひなさま!
小直衣の親王 ”このうしのしんのう”
小直衣は狩衣に似てますが、ごく高位の男性しか着用が許されない
特別な装束です、菊紋を織り出した小直衣を召す貴公子を表現し
雛飾りの主役である”男雛”に充てたと思われます
小直衣の貴公子のそばに立つ美しい姫は
高貴な小葵文を色鮮やかに織り出した小袿を着用してます
手には五色の糸を下げた檜扇を持っており
おそらく雛飾りの主役である女雛を意図した物と思われます
左から
衣冠の殿上人 直衣の公卿 歌詠み姫
龍笛吹き上臈
横笛である龍笛を吹く上臈”じょうろう”は、此処に集う人々
の中では最も高齢らしく、額には皺が刻まれ
頭髪にもいく筋かの白髪を見せています
琴弾き姫
琴を弾く小袿姿の姫、花勝見文様の生地が美しく
本金を使用してるため、百年を経ってなお光輝いています
本物さながらの筝の精密な細工も見事です
衣冠の殿上人
縹袍”水色の上着”を着用した衣冠姿の男性は
六位以下の身分で手には中啓と言う
半開きになった扇を持っています
琵琶弾き官人
枇杷を弾く男性は宮廷装束としては比較的略装である
狩衣を着用し、烏帽子を被っています
狩衣に織り出された桜文様が春らしさを演出しています
直衣の公卿
白い上着の直衣は
中納言以上の高位の公卿でなければ着用が許されません
此の人形はその生地に小葵文を織り出しており
直衣の中でも最高級の天皇がお召になる直衣の表現となっています
歌詠み姫
色紙を手に歌を詠む姫は、亀甲地に向かい鶴と松竹梅の
菱文を織り出した鮮やかな小袿姿です
此の姫だけが頭部に釵子と呼ばれる髪飾りを着用していますので
此処に集う女性の中で最も高位で有ることを表現しています
楽太鼓打ち官女
雅楽で用いる実物を彷彿とさせる見事な細工の楽太鼓
を打つ官女はふくよかでユーモラスな
お多福に仕立てられています
{曲水の宴} 明治40年{1,907}丸平大木人形店制
文はパンフレットをを参考