アメリカという国は、ほんとうに、信じられない人がゴロゴロいる。
アメリカ競泳五輪代表選考会。
世界新記録が続出しているんだけれど、その人たちの存在に勝るほどの輝きを放っている人たちがいます。
ダラ・トーレス、41歳と、ライアン・ロクティ(写真、かなりオモシロいですが)。
トーレスは41歳、1児の母。女子100m自由形、53秒で優勝。84年ロサンゼルスから数えて、5回目の五輪出場。
恐ろしいおばはんです。
とにかくテクニックが半端じゃない。熟練された、もっとも効率的な泳ぎ。ドーピング疑惑が起こる背景もわかるけれど、彼女のテクニックはものすごい。
勝因は「メンタル」だそうだ。
そしてライアン。昨年のメルボルン世界選手権200m背泳ぎでピアソルを世界記録で下して一躍スーパースターになった彼ですが、今回もその強さが際立っている。
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ピアソルとデッドヒートで200m背泳ぎを世界新記録から0.02秒落ちで泳いだ(ピアソルが世界記録タイで優勝)、
その25分後、
200m個人メドレーで王者フェルプスに迫る、世界歴代3位の好タイム。
普通、泳げませんよ・・・ 25分後に・・・
でも彼は、こう言ったの。
「泳ぐ前は、本当に勝てると思っていたんだ。それが僕の考え方なんだ」って。
・・・勝てるって、
フェルプスにだよ?
200m背泳ぎをほぼ世界記録で泳いで、その25分後にだよ?
そもそも自己ベスト2秒くらい差あったんだよ?
相手はその日まだ泳いでいない、元気なフェルプスだよ?
・・・っていうか、フェルプスだよ?
そう思える彼に、感動する。
アホちゃうかとも思うけれど(笑)、想像の範囲を超えてしまっているけれど、それだけ自信があるのだろうし、それだけの練習を積んできたのだろうし、それだけ自分を信じられるんだろう。
でも、気持ちが、肉体をここまで超越できちゃうものなのかな。
ほんとうに、気持ち次第でここまでできちゃうのかな。
・・・考えさせられます。
オリンピックでフェルプスの7冠を阻むとしたら、ライアンだろうな・・・
二人は親友なのに。
早く北京のレース観たい。