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ハイド・アンド・シーク効果で新語種誕生!

2009-02-11 16:25:24 | 日本語豆知識
 語種には、和語、漢語、外来語、混種語があるというのは、もう何度も書いていますが、実は、それだけでは判断できない語もたくさんあるんです。中央公論は真面目ですから、まだ出てきていませんが、テレビや広告などではよく目にします。語彙調査を始めてから、語種を意識するようになって、最初に頭を悩ませたのが、

 Go腕、グランプリ(表記は忘れてしまいましたが・・・)

 というものでした。、「ゴーワン(剛腕)グランプリ」あるいは「Go one グランプリ」という意味があるようで、このように掛詞になっているものはどうしたらよいのだろうと思いました。表記は関係ありませんから、「ゴーワン」の意味が剛腕なら、漢語と外来語の混種語、Go oneなら外来語になります。

 このような話を先生にしたところ、古くは「がんばったで賞」、「よくできているで賞」のようなもの、あるいは近所でお見かけになるそうですが、子どもの通学を見守る保護者「あなたを見守り隊」もそうだとおっしゃいました。

 「がんばったでしょう」「見守りたい」なら、和語ですが、「賞」「隊」なら和語と漢語の混種語になります。これらは明らかに意味がかけてありますから、このような言葉遊びのようなものを新しい語種として作らなければならないかもしれません。

 最近、ネーミングでこのようなものが多くなりました。例えば、首都圏で使われるようになったIC乗車券〈PASMO〉、一見、外来語のようですが、これは定期券のパスのほかに、バス、~もという助詞が見えてきます。JR東日本の〈Suica〉、これもそうですね。一応、Super Urban Intelligent Card の略だそうですが、スイスイ行けるカード、とか、私なんて、食べる西瓜をすぐにイメージしてしまいます。

 JR西日本は、〈Icoca〉、これなんて、表記は外来語っぽいですが、私には関西弁の「行こか~」にしか思えません。(あえてアクセントは変えてあるようですが^^)関西圈私鉄の〈PiTaPa〉、これも何?ピタッと押してパッと通れる?決済される?

 これらのように、和語と外来語の要素が混ざって、「ハイド・アンド・シーク効果」のある表現が最近のネーミングの流行りのようですね。

 あ、ついでに、奈良交通のICカードは〈CI-CA〉です。ズバリ、「鹿(しか)」ですね。引き音節を使うと外来語のようですが、奈良ですから、「鹿」ですよ、鹿!名前を募集しているときから、何に決まるのか気になっていたのですが、なかなか面白いと思いました。

 もひとつ、ついでに、実家近辺を走っている神姫バスのICカードは、〈NicoPa〉、ううううう~~~ん。オリジナリティーがないなあ。JR東日本と、関西圈私鉄を混ぜたような感じ・・・・・。がくっ

参考文献
『月刊言語』36(6)2007年6月
「みんなシルクロードにいるみたい」清水啓一郎
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