昨日,某番組を見ていたら,某美人演歌歌手がこんな話をしていました。
当時,付き合っていた彼氏に,自慢の手料理を振る舞ったら,「おいしい,おいしい」と言って喜んで食べてくれたので,とてもうれしく,
「よかったね~」
と言ったところ,相手が激怒して,その後,数時間も説教されたというのです。説教された内容はわかりませんが,相手の主張は,
「『よかったね~』ではなく,『よかった~』だろ!!!」
ということなので,おそらく・・・
日本語の終助詞の使い方は,結構難しいのです。日本語教育において,割とおろそかにされる終助詞なのですが,説明するのも,使いこなすのも結構難しい。ニュアンスに過ぎない部分もあるので,お互いの感覚に少しでもずれが生じると,某演歌歌手のようなことも起こります。
終助詞「ね」は,肯定文で使われた時,話し手も聞き手も知っていることを確認するときに使います。
友達A:「映画,面白かったね」
友達B:「うん。見に来てよかったね」
某演歌歌手の彼氏が怒った理由は,想像するに,手料理を食べてもらって,よかったのは,お前(演歌歌手)であって,俺(彼氏)ではないということなのでしょう。なんで,俺がよかったと思っていることをお前が知っているんだ,そもそも俺はよかったと思っているのかどうかもわからないだろう,ということかと思います。
参考文献
ふくろう出版『豊富な例文で学ぶ新中級日本語』「第2課 いろいろな終助詞」