日本語おもしろ発見

日々の生活から

「忍び返し」取り付け工事!!!

2008-03-31 11:27:35 | 日本語豆知識
 先日、ポストに入ったお知らせを見て、思わず感動してしまいました。

 「防犯のために、道路に面した住居の外壁の部分に『忍び返し』の工事をしますので、ご協力をよろしくお願い致します」

 「し、忍び返し!!!!!」

 日本語の豊かさに感動です!!「忍び返し」は室町時代ごろから使われていた言葉のようです。どんなものかは説明するまでもないでしょうが、一応・・・。盗賊などが乗り越えて入って来られないように、塀の上にとがった竹や木や釘などを打ち付けたものです。「忍び」とはもともと「忍びの者」、つまり「忍者」でしょう。

 忍者の国、日本に住む我々は、「忍び返し」と聞いただけで、どんなものかすぐに想像できます。聞いてすぐにイメージできる言葉、室町から現在に至るまで使われている言葉、素晴らしい!!

 工事が終わったあと、その「忍び返し」を見て、またまたびっくり!

 イメージ通り。昔と素材が違うだけで(見た感じ、強化プラスチックのよう)、デザインはほとんど同じ。

 「忍び返し」が取り付けられた塀を見て、言葉の奥深さ、歴史に感動したのでした・・・。
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やる前から「行き詰る」?

2008-03-27 20:50:56 | 恩師の教え
 桜がちらほら咲き始めました。春ですね~新学期が始まりますね~

 仕事に、研究に、趣味に・・・などなど、いろいろなことを始めるのにいい季節です。

 そこで、ふと、先生がおっしゃっていた面白い言葉を思い出しました。

 4年生は、卒業論文を書かないといけないんですが、論文を書くのって結構、大変なんですよね。

 わかります!私もなかなか進みません!あれこれ、悩んでいるうちに時間だけが、どんどん過ぎて行ってしまうのです。

 先生は、おっしゃいました。

 「なぜか、やる前に、行き詰っちゃう人が多いんですよ」

 た、確かに・・・

 語源的に言っても、それから先へ行くことができなくなるんですよね。つまり、何かやって、前に行っていたんだけど、行く手がふさがってしまって、前に進めない、そして、どうにもならなくなる・・・

 何にもやっていないのに、行き詰るっておかしな話ですね。それは、いかん!!

 とりあえず、何かを始めて、そして、初めて、行き詰りましょう!
 
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「新潟」のイメージが・・・下痢???

2008-03-26 17:54:11 | 日本語豆知識
 おとついの『朝日新聞』に面白い記事が載っていました。「ことば力養成講座」で扱っていた内容です。

 県や国の関係団体の中国向けウェブサイトで、新潟を「新?」としているものがあって、「?」は「瀉」の中国簡体字で下痢の意味だから、イメージを損なうので、「新潟」と改めよと県議から指摘されたのだそうです。中国でも正しくは「新潟」ですが、「潟」は普段使わない字なので知らない人も多いようです。

 日本で、普通、「潟」と「瀉」を混同することはないでしょう。 「瀉」は、そう頻繁に使う文字ではありませんが、整腸薬の説明のところに、使われていたりと、現在でも目にする機会はある字ですね。昔は「瀉する」で「下痢をする」の意味で使っていました。ちなみに、韓国では、「????(泄瀉する)」で「下痢をする」の意味ですね。

 なぜ、このような騒動が起きたかというと、よく似た文字に「潟」を省略した「さんずい+写」という手書き文字があるからのようです。(今では、新潟でしか見られないですが、江戸時代は広く知られていたそうです。)だから、混同して、今回のような騒動が起きたんですね。訳した方は、当然、「潟」の意味で使ったんですが、見た方は「瀉」ととってしまうということなんでしょう。

 漢字といっても、この「潟」の省略した文字のように、あまり知られていない事実がたくさんあります。漢字文化は奥が深いです。記事の最後にも書いてありますが、互いに理解しあい、交流を深めるきっかけとなったらと思います。

※「?」は正しく表示されていないかもしれません。さんずいに写なんですが、最後の横棒が短く、縦の線まで行かない字です。
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「しきま」の皆様???

2008-03-25 11:35:49 | 間違い探し
 地名人名は本当に難しく、よっぽど有名か、名前なら本人、地名なら地元の人じゃないとわからないですね。

 ふと思い出した面白い話が一つ。

 兵庫県の西の方に「飾磨」というところがあるんですが、これも地元の人にとっては、当り前の読み方でも、少し外に出れば、一気に難読語となってしまうようです。

 「飾磨」から団体で旅行に行ったそうで、その時、全員集合のアナウンスが駅構内で流れたそうです。

 「『しきま』の皆様、至急、ロビーにお集まりください」

 そこにいた「飾磨」の人たちは、全員、のけぞったそうです。

 「私らは『色魔』(しきま)か~~~

 とっても恥ずかしかったと聞きました。確かに「飾」の呉音は「しき」ですが、「しきま」はないでしょう~

 「飾磨」は「しかま」と読みます。

 アナウンスをしたお姉さん、覚えておいてね~
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「サービス」とは?

2008-03-24 11:33:23 | 日記
 本日付けの朝日新聞によりますと、70年前の京都市産業部観光課編刊「旅館サービス読本」が発見され、府立総合資料館が購入したそうです。「旅行客をもてなすノウハウ」が書かれているそうです。

 その中で面白かったのが、「客が『茶をくれ』というのに『ぶぶですか』というのは良い感じを与えません」という箇所でした。

 そうなんですよ。服を売っているお姉さま方!「客が『紺がいい』というのに『ネイビーですか』というのは良い感じを与えません」よ!

 まあ、その業界にいる人にとっては、プライドもありますから、そういった専門用語のようなものを使うのが当たり前なんでしょうが、サービスという点からみると、それは良い感じを与えないでしょうね。

 そこで、一つ。学生が「『た』に点々」というと、私は「『た』に濁点」といいますが、これも良い感じを与えませんか・・・。しかし、大学は学問を教えるところだから、サービスとは違うんじゃない?

 しかし、この前、ある大学の学長の挨拶でこんな一節がありました。(私はこの学長の挨拶がとても好き。話が上手なんですよ)

 大学全入時代を迎え、大学も大きく変わらなければなりません。これからは、教員が何を教えたかじゃなく、学生が何を学んだかが大事になります。そういう意味では、顧客サービスという観点を持ち込まなければなりません。

 完全には覚えていないので、言い回しはちょっと違いますが、そのようなことをおっしゃっていました。

 顧客サービス?やっぱりサービス?

 んんん・・・。でも、やっぱり大学はアカデミックなところだから、学問を学ぶ学生へのサービスと、客をもてなすサービスとは、かなり違うのではないかと思いました・・・

 学生へのサービスってどういうのをいうのでしょうね・・・

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数え歌

2008-03-23 12:43:09 | 日本語豆知識
 さて、数え歌シリーズ♪

 姪っ子が覚えて歌っている姿がなんともかわいく

 今日、紹介するのは一般的な歌詞のようで、子供向けのテレビ番組でもやっているらしいです。それにしても、よくできているなあとびっくりします。最後はちょっとどうかとも思いますが・・・

 いち、にい、さんまのしっぽ、ゴリラのむすこ、なっぱ、葉っぱ、くさった豆腐、豆腐は白い、白いはうさぎ、うさぎははねる、はねるはかえる、かえるはみどり、みどりは葉っぱ、葉っぱは揺れる、揺れるは幽霊、幽霊は消える、消えるは電気、電気は光る、光るはおやじのはげ頭、ピカン

 よくできてますねえ。これって日本語の学習者にも絶対いいと思うんですけど、中には子供扱いされるのを嫌がる学生もいますから、授業ではできませんね。興味を持った方、是非、この歌詞で覚えてください。

 ついでに、面白いことを・・・

 一、二、三、四、五、六、七、八、九、十

 読み方を仮名で書くと、もちろん、イチ、ニ、サン、シ(よんは訓読み)、ゴ、ロク、シチ、ハチ、キュウ、ジュウ

 ですが、発音するときは、どうでしょう。

 イチ、ニー、サン、シー、ゴー、ロク、シチ、ハチ、キュー、ジュー

 と、全部2拍(2mora)で数えていますね。無意識のうちにリズムを大切にしているのです
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いちじくにんじん

2008-03-21 10:54:15 | 日本語豆知識
 姪っ子が保育園で習ってきた手まり歌です。参考文献によりますと、静岡のわらべ歌とあります。地方、年代などによって、さまざまなバージョンがあるようですね。

 妹よ、姪っ子は正しく歌詞を覚えてきてるよ。



参考文献
『日本唱歌童謡集』唱歌・童謡・わらべ唄(1977)飯塚書店

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いっぽんでもニンジン!

2008-03-20 11:26:07 | 日本語豆知識
 実家に帰って、妹とその子供たちと一緒にお風呂に入ったとき、妹が数え唄を歌っていました。その数え唄がよくできているので、本当にびっくりしました。

 数え唄といえば、そうです!「いっぽんでもニンジン」(田原俊彦の「NINJIN娘」は関係ありません。←このあたりが世代だなあ・・

 懐かしくなって、ちょっと調べてみると、面白いことがわかりました。前田利博作詞、佐瀬寿一作曲の「いっぽんでもニンジン」は、なぎらけんいちが歌っていて、しかも、カップリング曲(当時は、A面B面と言っていたけど、なぎら氏が両方A面と言っているそうなので・・・)は、あの「およげ!たいやきくん」なんですね。今、また人気が出ているみたいですけど。

 そうかあ。子供のとき、両方、好きだったなあ。当時、「ひらけ!ポンキッキ」からいい曲がいっぱい出ていたなあと懐かしく思い出しました。

 さて、本題に戻って、数え唄って本当にいいんですよ。これは、外国語として日本語を勉強している人にも是非、紹介したい曲です。楽しく、歌って、自然に覚えられる。

 今日は、懐かしの「いっぽんでもニンジン」の歌詞を紹介したいと思います。検索すれば、メロディーを載せているHPもあります。言葉が覚えられ、数え方まで覚えられる。素晴らしい!作った人はえらい!

「いっぽんでもニンジン」 前田利博作詞、佐瀬寿一作曲

1(いち) いっぽんでも にんじん・・・一本でも人参
2(に) にそくでも サンダル・・・・・・二足でもサンダル
3(さん) さんそうでも ヨット・・・・・・三艘でもヨット
4(よん) よつぶでも ごましお・・・・四粒でも胡麻塩
5(ご) ごだいでも ロケット・・・・・・五台でもロケット
6(ろく) ろくわでも しちめんちょう・・・六羽でも七面鳥
7(しち) しちひきでも はち・・・・・・・・七匹でも蜂
8(はち) はっとうでも くじら・・・・・・・八頭でも鯨
9(きゅう) きゅうはいでも ジュース・・・・九杯でもジュース
10(じゅう) じゅっこでも いちご・・・・・・・十個でも苺

いちご にんじん サンダル
ヨット ごましお ロケット
シチメンチョウ はち くじら ジュース

1 いっぽんでも にんじん
2 にそくでも サンダル
3 さんそうでも ヨット
4 よつぶでも ごましお
5 ごだいでも ロケット
6 ろくわでも しちめんちょう
7 しちひきでも はち
8 はっとうでも くじら
9 きゅうはいでも ジュース
10 じゅっこでも いちご

いっぽん にそく さんそう
よつぶ ごだい ろくわ
しちひき はっとう
きゅうはい じゅっこ

*漢字表記はブログ筆者による

参考文献
『日本唱歌童謡集』唱歌・童謡・わらべ唄(1977)飯塚書店

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京都も大阪も走っていないのに「京阪電車」

2008-03-19 12:00:02 | 恩師の教え
 先日、語彙調査の集まりがありました。指導教官であるI先生の、的確な発言が大好きなので、先生がいらっしゃるところには、できるだけそこにいたいと思っています。

 どんなに難しい内容でも、一言でさらっとまとめられたり、言っている本人が訳わからなくなって、空中分解しているのに、その学生の言いたいこと、考えていることを読み取って下さったり、本当にすごいです。そんな先生ですから、日常話される会話の中にも、面白い言葉がたくさんあります。

 調査の合間の休憩中の話です。石山寺に行かれたそうで、お土産を買ってきてくださいました。

 「どうやって行かれたのですか?」

 「京阪電車ですよ。京都も大阪も走っていないのに『京阪電車』なんですね」

 何気なく、さらっとおっしゃるので余計におかしくて、笑壺に入ってしまいました。

 確かに本当におっしゃる通りです。「京阪電車大津線のHP」によりますと、

   石山坂本線   いしやまさかもとせん  石山寺-坂本 21駅   14.1km
   京津線    けいしんせん         浜大津-御陵 7駅    7.5km

 という名称があるみたいですね。上の二つの線を合わせて大津線なのでしょうか。でも「京阪電車」
 
  先生の発言や言い回しはとても面白いので、これからも書き留めておきたいと思います。

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やっぱり焼き付け刃じゃだめよね?

2008-03-14 17:10:46 | 間違い探し
 私は、新聞や雑誌のコラムや投稿欄が結構好きで、いつも楽しく読んでます。特に、言葉の言い間違いの話は大好きです。私も書いてみました。

 数年前、昔の同僚たちが集まって、同窓会のような雰囲気の飲み会をしたことがありました。話題はもっぱら、「教育」について!なんて、まじめな私たち!

 情報処理など新しい科目の授業が始まったけど、それを、慣れない先生が教えるのは、やはりよくないという話になったときに、友人が熱く語りました。

 「やっぱり、焼き付け刃じゃ、だめなのよね!」

 ん?何か、おかしい。間に合わせに覚えた知識や動作は、確か、「付け焼刃」のはず。あれは、語源的に考えても、焼いた付け刃、あるいは、焼き付けた刃じゃなくて、付けた焼き刃のはず。

 「付け焼刃とちゃうん?」

 その場の雰囲気が壊れてしまいました。一緒にいた他の友人たちも気づいていたけど、あえて言わなかったそうです。し、しまった・・・。

 「そんなこと、いちいち指摘するのは大人じゃない!」

と、言われてしまいました。確かに・・・。ごめんなさーい。でも、やはり言ってしまうだろうなー。悪気は全くないので、みんな許してね♪

 

参考文献
『国語辞典』第八版 旺文社
付け焼き刃
その場をつくろうため、間に合わせに知識や態度などを身につけること。また、そのような知識や態度。
[語源]鈍刀に鋼(はがね)の焼き刃だけを付け足したもの、が原義で、表面は良く見えるがもろくてすぐにだめになってしまう意。


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