日本語おもしろ発見

日々の生活から

今でも遣う係り結び1

2009-04-18 12:07:29 | 日本語豆知識
 古文の時間に係り結びの法則を習いました。係助詞「ぞ・なむ・や・か・こそ」が来ると、そのはたらきを受けて、結びとなる活用語が、「ぞ・なむ・や・か」は連体形、「こそ」は已然形になります。

 しかし、これは現代でも遣われているんですね。例えば、卒業式で歌う「仰げば尊し」

 仰げば 尊し 我が師の恩
 教えの庭にも はや幾年(いくとせ)
 思えば いと疾(と)し この年月
 今こそ 別れめ いざさらば

 この歌詞には古語も出てくるので(「疾し」は早いという意味)、高校で古文を教えているときは、係り結びの例として必ず出していましたが、最近では、「仰げば尊し」はあまり歌われていないということなので、いい例にはならなくなってしまいました。地域によっても歌わないところもあるみたいですし・・・

 この歌を知っていると、係り結びが出て来て、便利なんです。しかも、歌詞を間違えて覚えずに済む・・・

 今こそ・・・・別れ・・・

 「分かれるところ」の意味の分かれ目ではないのです。「こそ」があるので、「わかる」の未然形「わかれ」に、推量・意志の助動詞「む」がついて「わかれむ」、その「む」が已然形に活用して、「わかれめ」なんです。

 だから、意味としては、「さあ、今こそ別れましょう」とか、そういう意味なんですね。「今、別れる」を強調しているのです。

 久しぶりに思いだしました。あの頃、教えた高校生も今はもう立派な・・・・。みんな、元気にしてるかなあ。
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一人で爆笑はできない?^^

2009-04-14 12:09:58 | 日本語豆知識
 先日、ある小説に書かれた表現の批評で、「一人なのに爆笑するのはおかしい」という文を読みました。

 なるほど、確かに辞書を引けば、「大勢が大声でどっと笑うこと」(『広辞苑』第5版)とあります。つまり、一人では爆笑はできないということになります。

 私はあまり絵文字やかっこで文字をくくった表現を遣いませんが、最近はメールやインターネットで本当によく遣われていますね。(笑)の発展した形が(爆)なのでしょう。

 言葉は変化するものですから、最近では、一人でも大いに笑えば、爆笑するという表現を遣うようになったのでしょう。私も無意識のうちに遣っていたと思います。

 そのうち、「爆笑する」の説明は、「ふきだすようにどっと大声で笑(わら)うこと。」『現代国語辞典』三省堂(1988))のようになるかもしれないし、②に新しい意味として付け加わるかもしれませんね。
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きさらぎの望月のころ

2009-04-13 18:07:03 | 恩師の教え
 新学期が始まりました。4月9日は演習の日でした。先生との会話は、何気ない会話の中にも奥深いエッセンスがたくさん込められていて、いつもワクワクドキドキします。

 授業の終わりぐらいだったか、「今日は満月ですね」と言ったら、(同僚の先生に満月の日に、月に向かってお財布を振るとお金持ちになれると聞いてから、なんとなく、満月がいつかというのをチェックしている私・・・。)

 「今は、旧暦でいうと、2月ですかね」

とおっしゃいました。あ、そう言えば・・・・・

 平安末・鎌倉初期の歌僧、西行の歌・・・

 願はくは花の下にて春死なむ
               そのきさらぎの望月のころ


 今でいうと、4月の上旬なんですね。歌の通り、桜の季節に亡くなった西行に思いを馳せました。(朝日新聞に連載されていた小説『宿神』はとても面白かった♪)
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終助詞を遣いすぎると・・・

2009-04-04 14:40:50 | 日本語豆知識
 WBCもフィギュアスケートの世界選手権も終わりました。私はスポーツ観戦が(フィギュアがスポーツかどうかはともかく)、好きです。一生懸命、戦っている姿は本当に素晴らしく、いつも感動を覚えます。私はスポーツが全くできないし、本番に弱いタイプなので、練習して、それを試合で発揮できる選手が本当にうらやましく、素晴らしいと思うのです。

 今日の話は、そのスポーツの解説やゲストのコメントについてです。清原選手が引退し、解説かゲストとして、WBCのある試合に出ていましたが、清原選手らしいコメントがいくつかあって面白かったです。「体調が悪い?そんなこと言っている場合じゃないと思うんですがね」か何かだったと思いますが、清原選手の思いがそのまま伝わってきていいなと思いました。

 解説かゲストかで話す内容は変わると思いますが、解説なら専門的なことをわかりやすく、ゲストなら(その道に関係のないタレントを呼ぶのは論外)、その道を極めた人にしかわからないこと、試合を見ている人に伝えたい思いなどを話してほしいです。一般人が持つのと同じような感想なら、わざわざ言ってもらう必要はありませんから・・・。

 で、トリノ五輪金メダリストの荒川静香さんは、まだコメントすることに慣れていないようですね。内容もともかくですが、言葉がちょっと気になります。というのは終助詞の使用がとても多いのです。文の最後に必ずと言っていいほど、「ね」「よ」「か」「よね」「かね」がついていて、聞いていてちょっと不自然な感じがしました。

 以前、「シナリオ」を資料として、終助詞がどのくらいつくかを調べたとき、3文に1文の割合でついていることがわかりました。荒川さんの場合は、1時間の間にしたコメントが37文。終助詞をつけずに話したのが2文だけ。最も多く使用した終助詞は「ね」で24例でした。次に多かったのは「よね」で7例でした。

 そんなに荒川さんから同意を求められなくても・・・・と一人で思ってしまいました。全く個人的な本当に個人的な感想ですが、荒川さん、もう少し、終助詞の使用を減らしてくださると、落ち着いて見られます。「素晴らしいですね」と言われると「そうですね」と答えないといけないのかと・・・
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