今回の「議会広報不掲載」について、議長が記者会見を開いた。(以下、新聞報道)・議会広報は市議会が発行する以上、各会派が合意できるものを市民に伝える。
・どんな質問も議論なく載せることになると、意見が違う会派のイメージダウンになるようなことも掲載できる。
・議会広報には字数制限があるが、議事録は全文公開されている。
・現在は議会広報についてのルールがない。来年の2月議会で協議したい。
多くの人たちが営々と築ぎあげてきた「議会制民主主義」が、本当にわかっていない。
今回の具体的な問題を一般論に拡大解釈し「合理化」している。これでは、多数派が認めるものしか広報に掲載されず、多数派が意義をとなえれば「不掲載」が可能となる。
市民にとって、「与党広報」「市長広報」になってしまう。
とりわけ与党は、市長会派は、野党の質問を嫌う。
今後は、これを掲載しないとする宣言に等しい。
そもそも質疑の中身の全会派合意はありえない。
「会派のイメージダウン」というが、過去このようの問題があったのか。そうではなく「市長のイメージダウン」のことではないか。意図的にすり替えている。
全市民に議会の質疑を伝える「議会広報」。与党の意図的制限を、議事録全文公開によって「合理化」している。
議会広報のルール作りを行うというが、これは質疑の中身に介入するもので、まさに「検閲宣言」である。
あらためて「不許可」にされた質問項目を再掲載する。
梅津議員
流行語大賞に選ばれた「アベ政治は許さない」クリアファイルを「職員室の机の上に置いたのはだれか」という調査は適切なのか。
松永議員
市長が後援会から13年と14年で1,350万円も借入している。
その使途は。いつ返すのか。
このどこが「不適切」なのか。
議長や広報委員長にとって、これが市民に配られるのが、嫌なだけなのであろう。
いったんルールをつくれば、どんどん拡大解釈されていく。
「議会広報」が「広報くしろ」となる日が近い。
議長は、ことの次第がまったくわかっていない。いや理解しようとしていない。
「釧路市議会基本条例」の前文の一部を掲載する。
釧路市議会は、市民の福祉の増進を図ることを基本として、市政の運営に関し二元代表制の一翼を担い、市の意思決定機関並びに市長その他の執行機関の監視及び評価機関として重大な責務があることを確認する。
そしてヴォルテールの言葉
「私はあなたの意見には反対だが、それを主張する権利は命をかけて守る」