東京地検は1等空佐を起訴し、公開法廷で「軍事機密」「防衛秘密」の正体が糾明されるべきである。

2008年03月27日 14時06分04秒 | 政治
◆「中国海軍の潜水艦が南シナ海で火災事故を起こした」という情報は、果たして「軍事機密」なのか?
 アメリカの軍事衛星がキャッチしたとはいえ、南シナ海という公海で起きた事故を隠していいものか否か。南シナ海を航行する一般の商船や漁船などが、どんな被害を蒙るかわからないのであるから、事故が起きていたなら、公表すべきである。少なくとも、中国海軍の潜水艦の乗組員に生命の危険があるかも知れない。アメリカ軍部にとって、「どうせ中国人だから、事故死しても構わない」という蔑視の気持ちがあったのではないかと、勘繰られても仕方がない。
こんな危険情報にもかかわらず、1等空佐が新聞記者に漏らしたとの理由で、自衛隊法違反(防衛秘密漏洩)容疑で東京地検に書類送検されたと各紙が報じているけれど、「防衛秘密」の概念そのものが曖昧なのに、「罪刑法定主義の原則」(憲法第31条解釈)に照らして、果たして罪に問えるのかという疑問も湧いてくる。
◆読売新聞は、社会面(38面)の記事のなかで、「ただ、この1等空佐については防衛機密にかかわる問題を公判で立証するのは難しいなどの理由から、東京地検は不起訴(起訴猶予)にする公算が大きいとみられる」と記述している。しかし、むしろ、起訴して公開法廷ですべてを明らかにすべきである。日本国憲法は、軍法会議などの特別裁判所の設置を禁止しており、国民の基本的人権擁護の目的から、裁判の公開(第37条、第82条第1項)を規定している。各紙は、1等空佐の氏名を伏せているが、これもおかしい。何のだれ兵衛ともわからない被疑者を罪に問うて書類送検した以上、自衛隊の警務隊は、被疑者の「官職・氏名」を公にしなければ、憲法が「第82条第2項」の例外を除いて、原則として禁じている「秘密裁判」への道を開いてしまう。
◆東京地検は、1等空佐をしっかり起訴して、公開法廷において、アメリカ軍がキャッチした情報が本当に軍事機密なのか、それがいかなるルートで漏洩したのか、漏洩した情報は、日本にとって本当に防衛秘密なのか、だれが防衛秘密を決めているのか、自衛隊から情報が漏洩した場合、「罪刑法定主義の原則」を踏まえて、摘発されているのか、防衛秘密という概念により自衛官の基本的人権は侵されてはいないかなどを徹底的に解明しなくてはならない。アメリカ軍の「機密担当者」も証人尋問する必要がある。これらが「一般人にバレては困る」というのでは、公開裁判は成り立たない。
◆この防衛秘密漏洩を云々する前に、日本政府、とくに外務省は、クレームをつけてきたアメリカ軍にクレームをつけたり、抗議したりしたのであろうか。
そもそも、海の安全を損なう危険のある重要情報をキャッチしていながら、これを軍事機密扱いするアメリカ軍は、根本的におかしい。それを抗議もしない日本外務省は、どこか頭が狂っている。何でもかんでも「軍事機密」「防衛秘密」と言えば、世間が許すと思っているとすれば、勘違いも甚だしい。この際、アメリカ軍の言う「軍事機密」、防衛省・自衛隊の言う「防衛秘密」を公開裁判の「お白州」の場に引きずり出して、徹底的に公にし、その正体を糾明すべきである。「アメリカ軍関係者よ、出てこい」と言いたい。
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コメント (4)
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