◆福田康夫首相が3月29日内閣記者会との記者会見で、奇妙な発言をしている。「ガソリンの暫定税率」についての質問に、こう応えている。
「ガソリンが安くなると、国民に『自動車に乗ってガソリンを大いに使って』と奨励する雰囲気になる。環境問題を真剣に考えている国々が『逆行だ』と思うことはしたくない」
本当にそうかなと眉に唾をつけてみたが、この説明は、どうもおかしい。原油は依然として高水準にあり、このため、国内のガソリンスタンドでは、ガソリン代がウナギのぼりである。だからといって、自動車に乗る人が激減しているかと言えば、そんなことはない。逆に「ガソリン税率分」の「25円」ほど値下げになったところで、国民が、バンバン自動車を乗り回すというような現象が起きるとは到底考えられない。
◆大体、大気汚染、ひいては、環境汚染の元凶になっているのは、自動車業界や石油業界が、これまで環境問題に冷淡だったからではないか。
前経団連会長は、トヨタ自動車の奥田碩相談役であった。トヨタがエコカー開発に力を入れるようになったのは、つい最近のことである。石油業界は、太陽電池などのクリーンエネルギーが全国に普及するのを嫌ってきたではないか。
◆石油業界と言えば、福田首相は、丸善石油(現在のコスモ石油)に入社して、外国部輸入課長まで務めた人だったはずで、亡父・福田赳夫元首相は新日本石油などの「石油利権」の司祭であった。福田首相は「石油族」であり、外交に熱心で「中東」に訪問されてきてのは、その利権保護のためではなかったのか。これらは、今回のガソリン税廃止問題を考えるうえで、見逃せないポイントである。要するに、福田首相は、二酸化炭素排出の元凶の一端を担ってきた政治家であるとも言える。それがいまさら、「ガソリンが安くなると、国民に『自動車に乗ってガソリンを大いに使って』と奨励する雰囲気になる。環境問題を真剣に考えている国々が『逆行だ』と思うことはしたくない」と奇妙な論陣を張るのは、不思議であり、チャンチャラおかしい。
◆急騰しているガソリン代が、25円程度値下げになったからと言っても、産油国であるOPEC諸国が、いつまでも原油増産に踏み切らない状況が続くかぎり、値下げ分をはるかに上回る値上げになれば、焼け石に水である。石油族の頂点に立つ福田首相にできることは、急いで中東のOPEC諸国に「増産」を要請することである。いずれにしても、諸物価高騰の折、たとえ焼け石に水でも、ガソリンの値段が下がることは、国民の多くのが喜ぶ話である。
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「ガソリンが安くなると、国民に『自動車に乗ってガソリンを大いに使って』と奨励する雰囲気になる。環境問題を真剣に考えている国々が『逆行だ』と思うことはしたくない」
本当にそうかなと眉に唾をつけてみたが、この説明は、どうもおかしい。原油は依然として高水準にあり、このため、国内のガソリンスタンドでは、ガソリン代がウナギのぼりである。だからといって、自動車に乗る人が激減しているかと言えば、そんなことはない。逆に「ガソリン税率分」の「25円」ほど値下げになったところで、国民が、バンバン自動車を乗り回すというような現象が起きるとは到底考えられない。
◆大体、大気汚染、ひいては、環境汚染の元凶になっているのは、自動車業界や石油業界が、これまで環境問題に冷淡だったからではないか。
前経団連会長は、トヨタ自動車の奥田碩相談役であった。トヨタがエコカー開発に力を入れるようになったのは、つい最近のことである。石油業界は、太陽電池などのクリーンエネルギーが全国に普及するのを嫌ってきたではないか。
◆石油業界と言えば、福田首相は、丸善石油(現在のコスモ石油)に入社して、外国部輸入課長まで務めた人だったはずで、亡父・福田赳夫元首相は新日本石油などの「石油利権」の司祭であった。福田首相は「石油族」であり、外交に熱心で「中東」に訪問されてきてのは、その利権保護のためではなかったのか。これらは、今回のガソリン税廃止問題を考えるうえで、見逃せないポイントである。要するに、福田首相は、二酸化炭素排出の元凶の一端を担ってきた政治家であるとも言える。それがいまさら、「ガソリンが安くなると、国民に『自動車に乗ってガソリンを大いに使って』と奨励する雰囲気になる。環境問題を真剣に考えている国々が『逆行だ』と思うことはしたくない」と奇妙な論陣を張るのは、不思議であり、チャンチャラおかしい。
◆急騰しているガソリン代が、25円程度値下げになったからと言っても、産油国であるOPEC諸国が、いつまでも原油増産に踏み切らない状況が続くかぎり、値下げ分をはるかに上回る値上げになれば、焼け石に水である。石油族の頂点に立つ福田首相にできることは、急いで中東のOPEC諸国に「増産」を要請することである。いずれにしても、諸物価高騰の折、たとえ焼け石に水でも、ガソリンの値段が下がることは、国民の多くのが喜ぶ話である。
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