田母神俊雄・前航空幕僚長の定年退職は甘い、これは「自衛隊クーデタ」を惹起する遠因になるゾ

2008年11月04日 21時18分09秒 | 政治
◆「軍人勅諭」に「一.軍人ハ政治ニ関与スベカラズ」という一条があった。いま、自衛官は、自己主張と政治発言をするようになってきた。自由民主主義の「市民軍隊」である以上、自衛官が、自己主張と政治発言をたからといって咎められるではない。だが、防衛省が11月3付で田母神俊雄・前航空幕僚長を定年退職させたこの処理が今後、日本の国防政策に禍根を残すことは間違いない。
ここで甘い処理を許すなら、自衛隊をますます増長させることになる。信賞必罰という言葉があるように懲戒処分し、退職金をしてはならなかった。日本政府が国是としている見解に反し、真っ向から否定する態度を論文にまで表明したこと自体、「規律違反」であり、懲戒処分は免れない。この甘い処分は、将来に禍根を残し、最悪の場合、「クーデタ」を惹起する遠因にもなりかねないからである。自衛隊という中途半端な名前とはいえ、レッキとした軍隊である。だれが見ても憲法違反の存在であるのに、これを合憲と言い張ってきたツケが、ここにきて、大変な事態招いていることを、麻生太郎首相をはじめ国会議員諸氏は、もっと深刻に受け止めるべきである。
◆しかし、日本の自衛隊は、米英などの軍隊と違って成熟はしていない。それどころか、大日本帝国陸海軍の「尾てい骨」のみならず、精神構造をいまでも引きずっていることを見逃してはならない。はっきり言って、「一旦緩急ある」の場合、意識のなかから日本国憲法は、消滅する。戦争には勝たねばならないのであるから、憲法をいちいち考えている余裕はない。もっぱら、敵を倒すのみである。国民を守ることすら忘れてしまうかも知れないのである。最も悪いのは、自衛隊を「国際貢献に流用」させている、あるいは「流用」させようとしている国会議員諸氏であり、これに無関心な大多数の国民である。「戦地」に放り込まれる自衛官に対して、あまりにも無責任ではないか。
◆しかも、自衛官の大多数が、「大東亜戦争肯定論者」であるにもかかわらず、自衛官の思想・信条、もっと言えば、情念を無視して、「侵略戦争説」を国是とする「政府見解」を個々の自衛官に強制すること自体に、無理がある。どこの国に自国の軍隊を卑下する国民がいるのか。フランス国歌でさえ、「敵を叩き潰せ」という文句がある。ロシアのウラジオストックは、ピーター大帝時代に名づけられた地名で、「東方を侵略せよ」という意味らしい。近現代の軍隊は、みな「帝国主義・植民地主義軍」であり、その典型が、米英仏独ロ軍であったことは、歴史上、明白である。中国共産党軍が、ベトナムやチベットなどに侵略してきたのは、明々白々である。「大東亜戦争肯定論者」が、欧米列強をアジアから追い出し、アジアを解放させたと言い張るのも、説得力があり、一理ある。それを一片の「政府見解」で否定し得るものではない。
◆どこの国の政府でも、「一旦緩急ある」場合、軍人を有無を言わせず、「死地」に突入させなくてはならない。自衛官も同様である。個々の自衛官がどんな思想・信条を持とうとも、「一旦緩急ある」の場合、命令により、「戦地」に投入される。この意味で、国会議員諸氏に無責任な態度や姿勢を取られては、腹が立つのである。この際、日本は、日本国憲法制定の原点に立ち、まずは、インド洋から海上自衛隊を撤退させ、現憲法下で本当に、自衛隊を海外派遣できるのかどうかを考え直すべきである。いま咎められるべきは、麻生首相はじめ政治家であり、自衛官ではないことを思い知る必要がある。いい加減な態度を続けていると、いつの日か、「クーデタ」を惹起することになるであろう。
板垣英憲マスコミ事務所

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コメント (5)
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