何時の間にか安田をハーレーが控え室に連れ帰っていた。
安田が控え室で痛みに震えていると、ドアをノックする音がした。
安田の手当に忙しいハーレーはドラに一瞥をくれた後、「開いてるよ」と声をかけた。
ドアがソーッと開き、そこには見知らぬ少女が立っていた。。
「あのぉ・・風間社長さんはいらっしゃいますか」
その年に数試合だけで全女を退団した大向美智子である。
神取は頭から水をかぶると、フゥ・・と深いタメ息をついた。
やり過ぎたかな・・・鏡の中のしかめっ面の自分に問いかけもした。
八つ当たりするように扉を蹴り開け廊下に出るとイーグルがやってきた。
「イーグル、借り・・・出来ちゃったねぇ・・」
「イイんですよ、別に。でも挑戦は受けてもらいますよ、ちゃんと」
「かはははは! わかってるって! あとは風間に聞いてよ、ははは」
「でも、あの娘たちには一言かけてあげてくださいね、かわいそうですよ」
「うん、わかってる、イーグル。ありがとう。うん」
神取は控え室前でどんな言葉をかけようか迷っていた。
「うおーっす、みんなぁ!お疲れさん!」照れ隠しにわざと大きな声で扉を開けた。
「あ、神取さん、お疲れ様です!大向と申し・・」
「何だテメェは! オイ!何してんだよぉ!こんな所で!」
神取は大声で怒鳴りあげ大向の襟首を掴みあげた。
大向の事なら見たことがある。以前宍倉に連れられ風間と会っていたのだ。
「にゅ、入門のお願いに来たんです!」
「知るかぁ、そんな事! オマエやめたんだろーがよぉ!ああ?」
「神取さん、やめてください!風間さんは知ってるみたいなんです!」
「なんだ半田、オマエも知ってるっていうのか!おい!勝手にしろ!」
どいつもこいつもコソコソしやがって・・・気に入らねぇ・・・
神取はタクシーをひろうと、憮然とした表情で後楽園ホールをあとにした
深夜---神取は自宅近くのバーで静かに飲んでいた。
気に入らない事があるとここで一人グラスを傾けるのが習慣になっていた。
まぁ、迷惑も沢山かけてるけどね・・・自嘲気味に呟きもしていた。
だいぶ心も落ち着いて自己嫌悪に陥りそうにもなる。
ふと肩に暖かい温もりを感じ、振り返ると風間が笑っていた。
「やっぱりここに来てたんだね、神取」
「風間ぁ・・・あたしゃこんな性格だから・・・あんたにも・・」
「なに情けない顔してんの?今日はちゃんと話しを聞いてよ」
風間は大向の事、プロレスを諦め切れないという話しをした。
「ああ、わかったよ。アンタに任せるよ」
「ま~た任せるなんて、もう。フフフフ・・」
風間は少し怒った顔をして、すぐに笑った。
「それから安田の事なんだけど・・」
「安田?ああ~やり過ぎたかな?あれ」
「???いや、あの安田の新キャラの話しだよ!」
「新キャラ?なんじゃそれ」
「 あれ?今日宍倉さんが説明に行かなかった?」
ああ、そういえばロクにアイツの話しなんか聞かなかったな・・・
そういう話しがあったのか・・・
「あたしゃネェ、あの宍倉ってのがあまり好きがないんでね」
「またそんな事いってる。色々ページをさいたり応援してくれてるのよ」
「はいはい、あなた達におまかせしますです」
ガチャリとドアが開き、そこに宍倉がやって来た。風間が呼んだのだろう。
神取は内心むっときたが、風間の手前軽く挨拶をした。
「宍倉さん、いつも相談に乗っていただいてすみません」
「いえいえ、神取選手、こちらこそ。それより今度の安田の件なんだけど・・・」
「アタシそういうの疎いから・・・ちょっと疲れてるんで失礼します」
「あ、ちょっと神取!待ってよ!」
神取はさっさと店を出て行ってしまった。
「私、なんか神取さんに嫌われてますかね」
あっけにとられ風間を見ると、「やばいよぉ」という表情で笑っていた
安田が控え室で痛みに震えていると、ドアをノックする音がした。
安田の手当に忙しいハーレーはドラに一瞥をくれた後、「開いてるよ」と声をかけた。
ドアがソーッと開き、そこには見知らぬ少女が立っていた。。
「あのぉ・・風間社長さんはいらっしゃいますか」
その年に数試合だけで全女を退団した大向美智子である。
神取は頭から水をかぶると、フゥ・・と深いタメ息をついた。
やり過ぎたかな・・・鏡の中のしかめっ面の自分に問いかけもした。
八つ当たりするように扉を蹴り開け廊下に出るとイーグルがやってきた。
「イーグル、借り・・・出来ちゃったねぇ・・」
「イイんですよ、別に。でも挑戦は受けてもらいますよ、ちゃんと」
「かはははは! わかってるって! あとは風間に聞いてよ、ははは」
「でも、あの娘たちには一言かけてあげてくださいね、かわいそうですよ」
「うん、わかってる、イーグル。ありがとう。うん」
神取は控え室前でどんな言葉をかけようか迷っていた。
「うおーっす、みんなぁ!お疲れさん!」照れ隠しにわざと大きな声で扉を開けた。
「あ、神取さん、お疲れ様です!大向と申し・・」
「何だテメェは! オイ!何してんだよぉ!こんな所で!」
神取は大声で怒鳴りあげ大向の襟首を掴みあげた。
大向の事なら見たことがある。以前宍倉に連れられ風間と会っていたのだ。
「にゅ、入門のお願いに来たんです!」
「知るかぁ、そんな事! オマエやめたんだろーがよぉ!ああ?」
「神取さん、やめてください!風間さんは知ってるみたいなんです!」
「なんだ半田、オマエも知ってるっていうのか!おい!勝手にしろ!」
どいつもこいつもコソコソしやがって・・・気に入らねぇ・・・
神取はタクシーをひろうと、憮然とした表情で後楽園ホールをあとにした
深夜---神取は自宅近くのバーで静かに飲んでいた。
気に入らない事があるとここで一人グラスを傾けるのが習慣になっていた。
まぁ、迷惑も沢山かけてるけどね・・・自嘲気味に呟きもしていた。
だいぶ心も落ち着いて自己嫌悪に陥りそうにもなる。
ふと肩に暖かい温もりを感じ、振り返ると風間が笑っていた。
「やっぱりここに来てたんだね、神取」
「風間ぁ・・・あたしゃこんな性格だから・・・あんたにも・・」
「なに情けない顔してんの?今日はちゃんと話しを聞いてよ」
風間は大向の事、プロレスを諦め切れないという話しをした。
「ああ、わかったよ。アンタに任せるよ」
「ま~た任せるなんて、もう。フフフフ・・」
風間は少し怒った顔をして、すぐに笑った。
「それから安田の事なんだけど・・」
「安田?ああ~やり過ぎたかな?あれ」
「???いや、あの安田の新キャラの話しだよ!」
「新キャラ?なんじゃそれ」
「 あれ?今日宍倉さんが説明に行かなかった?」
ああ、そういえばロクにアイツの話しなんか聞かなかったな・・・
そういう話しがあったのか・・・
「あたしゃネェ、あの宍倉ってのがあまり好きがないんでね」
「またそんな事いってる。色々ページをさいたり応援してくれてるのよ」
「はいはい、あなた達におまかせしますです」
ガチャリとドアが開き、そこに宍倉がやって来た。風間が呼んだのだろう。
神取は内心むっときたが、風間の手前軽く挨拶をした。
「宍倉さん、いつも相談に乗っていただいてすみません」
「いえいえ、神取選手、こちらこそ。それより今度の安田の件なんだけど・・・」
「アタシそういうの疎いから・・・ちょっと疲れてるんで失礼します」
「あ、ちょっと神取!待ってよ!」
神取はさっさと店を出て行ってしまった。
「私、なんか神取さんに嫌われてますかね」
あっけにとられ風間を見ると、「やばいよぉ」という表情で笑っていた