ごじゃっぺ日記(旧、看悶日記)

京都生まれのにわか茨城県民による雑多な日記です。内容に一貫性はありませんが、どうかひとつ長~い目で見てください。

鯛などの高級養殖魚はだぶつき、大衆魚の秋刀魚は不漁

2020-07-15 20:47:00 | 食べ物帳
今朝のNHKニュース、北海道十勝港でサンマの初水揚げ、わずか10㎏だったそうです。
十勝港では競りができないので、サンマの主要水揚げ地、釧路港に運搬したそうです。
広尾の十勝港から釧路港は、国道336号線から38号線を走って片道150km。
秋刀魚たった10㎏を往復300km運んだとこで商売は成り立つわけもなく…一種のイベント。
今後、棒受け網漁が始まっても不漁が続くようだと、イベントとは言ってはいられません。

不漁で青色吐息の漁師さんがいる一方で、市場で魚がだぶつき…こちらも青息吐息なのが、沿岸の鯛、マグロ、ブリ、カンパチ養殖業者です。
天然魚は、市況が低下すれば漁をやめれば収益なくとも損失は最小限に抑えることができます。
しかし養殖魚は、今そこに出荷時期の魚がいれば出荷せざるを得ない。生け簀を泳がせている限り、魚は餌を食い続けるので…
市況低迷の赤字額と餌代による赤字額を天秤にかけ、そこに赤潮や病気による斃死のリスクも掛け合わせて出荷せざるを得ないということになります。

養殖物でも海外からの冷凍マグロはとりあえず冷凍保存できますが、鮮魚であることに価値がある沿岸物は難しいところ。
とにかくだぶついている魚は何としても売りさばかないといけない。

といった事情でしょうね。コンビニ惣菜に真鯛の塩焼き。

さてサンマが不漁というと、すぐ「サンマは養殖できないの?」との声が聞こえてきますが…
人間もごはんを10㎏食べれば10㎏太るわけではありません。魚も餌を10㎏やって10㎏成長するわけではありません。
ある魚が10㎏の餌をたべて、1㎏の魚体に成長、出荷できたとします。
魚の餌が1㎏100円だとして、養殖した魚は、餌代だけでも1㎏1000円以上でないとペイできません。
さらに人件費や養殖設備の維持管理費が乗っかるので、もっと高くなってしまいます。

養殖技術が確立しているかは別として、結局、養殖が事業としてのあり立つのは高級魚に限られてしまい、
大衆魚では生食可能などブランド価値が付いた鯖を除けば、サンマなどは現状厳しいそうです。

*水産会社勤務、一級惣菜管理士がお届けしました