「ふみの時」神野文子(じんのふみこ)のブログです。

朗読家・声優・ナレーター・朗読教室主宰・大学非常勤講師・パフォーマンスインストラクターの神野文子の最新情報など。

見えてるけど見えないことに

2015-04-29 | アート

国宝の屏風を見に根津美術館へ。

「燕子花図屏風」と「紅白梅図屏風」

尾形光琳の華やかさは、中学の美術の教科書でも感じていま

したが、今回はじめて実物を見ました。

パンフレットの写真では、屏風の枠が写っていませんので、

一枚の横長の絵のように見えますが、

どれも真ん中で切れていて、二つ一組の屏風です。

実際は10センチ近い黒っぽい枠がついています。

「紅白梅図屏風」の中央の川はかなりの面積を占めていま

すが、その真ん中を分断するかのようにここで切れていて、

双方の屏風の枠があるので繋ぎ目が20センチ近く離れて

います。この枠ちょっと邪魔な感じがします。

そうか、こういうものだったのか、実物は。

でも、頭の中でその枠は無いことにし、絵をつなげて

見るようにすると邪魔ではなくなります。

そうだ、歌舞伎や日本舞踊や文楽の黒子と同じだな。

(ちなみに黒子はクロゴが正しい読みであると、伝統芸能の

渡邊守章先生に以前教えて頂きました)

黒子は、見えているけど存在しないことにする、ある種の約束

ごと。日本独自の美意識かもしれない。

それにしても「紅白梅図屏風」は、熱海のMOA美術館がオープ

ンした頃の夏に行って、ここで所蔵していることを知り少し意外

でした。熱海は梅園も有名だからかな?

年一回、梅の時期に公開されるとわかり、今年こそは、

梅の時期に行って見てやろう、と毎年思っていてまだ実現して

いなかったのです。

 

今回は国宝二つが一緒に展示されていて、圧巻でした。

やはり唯一無二の実物は、美しかった。

ただ、土日はかなり人が多くて、一歩下がって見ようとしたら、

すぐ後ろに人がいて足を踏んでしまったり、でした。

 

 

 

 


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